THPOの演奏会から3週間、エヴァーグリーンウインドオーケストラの第2回演奏会に出演してきました。
エヴァーグリーンウインドオーケストラ 第2回演奏会《フェイバリッツ・オブ・ヤン・ヴァン=デル=ロースト》
- 日時
- 2022年2月6日[日] 開場13:30 開演14:00
- 会場
- かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
- 入場料
- 無料
- 曲目
- ヤン・ヴァン=デル=ロースト Jan Frans Joseph Van der Roost /
- ミネルヴァMinerva
- カンタベリーコラールCanterbury Chorale
- 交響詩「スパルタクス」Spartacus -Symphonic Tone Poem-
- 炎と栄光Flame and Glory
- 吹奏楽のためのアダージョAdagio for Band
- モンタニャールの詩Poème Montagnard
- (アンコール) SAYONARASAYONARA -Auld Lang Syne-
- (アンコール) アルセナールArsenal Concert March
- 指揮
- 小林和巳
- コンサートマスター
- 芳賀崇弥
第1回演奏会に出演してから2年。こちらの楽団もコロナ禍により本番を1年延期しての本番となりました。
第1回のリードに比べ、ヴァン=デル=ローストの曲はこれまであまり多く知りませんでした。ヒネモスでも演奏したカンタベリー・コラールやプスタは知っていますが……。
いや、今回のメイン曲であるモンタニャールの詩、聴いたことがありました。8年前に大雪の中で演奏会を決行した、Wind Intuitional Project (WIP) 第2回 企画演奏会で演奏していたのでした。ヒネモスにはそぐわない曲だとは思いつつ、壮大な曲想はずっと惹かれるところがあったので、この機に演奏することが叶って良かったです。
曲の冒頭で低音のざわめきから始まって次第にボルテージが上がり一度曲の頂点へ、そして紆余曲折あって一度収まり、最後にもういちどクライマックスへ――という曲の展開は、リヒャルト・シュトラウス「アルプス交響曲」を思わせます(モンタニャールもアルプスの麓の街アオスタが舞台ですしね)。中間部で出てくるリコーダーによる変拍子の舞曲、前半で出てきた行進曲風のメロディが最後にフーガとなって曲のクライマックスを迎えるところ、全体的に難しい箇所が続くはずなんですが、本番うまく行って良かったです。
私が1stを吹いた第1部のトリの曲は「スパルタクス」、音階が西欧音楽のそれではなく、アラブっぽい並びで、ファゴットに求められる音色も、それ以外の曲のユーモラスさが排除された荒々しい音っぽかったです。まあ、そちらもそれなりに上手く演奏できた、んじゃないかなと思っています。個人的に木管楽器が沢山トリルを使っていて昨年末に演奏したヤナーチェクのシンフォニエッタを連想しました。西欧らしくないオリエンタルな雰囲気がそうさせているのかも。
ファゴット的に一番気を使ったのはやはりカンタベリー・コラール。今回の舞台配置がオーボエ・イングリッシュホルンとファゴットが離れていたのでちょっとやりづらかったのですが、録音を聞いたらそれほど違和感なくハモっていて一安心です。
演奏会全体として、第1回よりもパート同士の連携、アンサンブルが良くできていたのではないか、と思いました。少なくとも本番では奏者同士でお見合いして出るタイミングを見失ったり、どこかのパートにテンポを預けっぱなしに…ということはなかったです。