先日このブログでも告知した通り、オーケストラ夢十夜の演奏会が9月13日に行われました。無事に終わりました。ええ、無事に。なんとか無事に。
オーケストラ夢十夜 第8回演奏会
- 曲目
- ジョルジュ・ビゼー/オペラ『カルメン』(全4幕、フランス語上演・字幕付き、ホール・オペラ形式上演)
- 指揮
- 末永 隆一
- 演出
- 原 純
- 独唱
- カルメン:新宮 由理
- ドン・ホセ:内山 信吾
- エスカミーリョ:和田 ひでき
- ミカエラ:田崎 尚美
- ダンカイロ:小林 昭裕
- レメンダード:横山 慎吾
- フラスキータ:岩水 美稚子
- メルセデス:相田 麻純
- ズニガ:金沢 平
- モラレス:保坂 真悟
- 管弦楽
- オーケストラ夢十夜
- 合唱
- 夢十夜合唱団(大隅 智佳子プロデュース)
- 児童合唱
- 横浜少年少女合唱団
- 日時
- 2015年9月13日 開場12:50 開演13:30
- 会場
- 横浜みなとみらいホール 大ホール
- 入場料
- 全席自由 1000円
ファゴットのソリが非常にオイシい曲である第2幕への間奏曲(アルカナの竜騎兵)は、カットされるかもしれません
と先日の記事には書きましたが、なんとか演奏することが出来ました。カルメンの間奏曲はどれも良い曲ばかりですから、演奏しない手はありませんね。
しかし、アルカナの竜騎兵を演奏するか否か不明だった期間が長く、合奏の中で練習する機会がほとんどありませんでした。さらに当日本番前のリハーサルでは児童合唱やソリストの合わせが長引き、オーケストラ単独の曲は練習せず、ぶっつけ本番となる事態に。慌ててリハ後、本番前の時間にファゴット2人で何度か合わせて、ようやくそれらしい形になることが出来ました。
ぶっつけ本番といえば、第3幕「Quant Au Douanier C’Est Notre Affaire」を一部だけ演奏することになったのですが、これも演奏が決定したのが本番間近で、私は本番だけしか演奏しませんでした。なんとか演奏できましたけど、あれほど緊張する演奏場面は初めてだったと思います。
これらの曲にかぎらず、オペラの全曲演奏というのは、単純に曲数が多く、「こんな曲あったっけ?」「この譜面ってどの場面だっけ?」ということが、全体合奏で何度もありました。レチタティーヴォ(独白や状況説明を行う、自由なテンポと旋律での独唱)の直後に管弦楽が入る場面など多々あり、それらのタイミングを合わせる困難さもなかなか克服できませんでした。こういったBGMのオーケストラから逸脱と集合する歌唱というのは、これまで夢十夜で演奏してきたレクイエムなどの宗教曲にはなかった要素でした。
そういった困難さは私を含めたオーケストラだけでなく、指揮者の棒振りも難しかったようです。管弦楽の指揮台で、正指揮者だけでなく副指揮者も指揮を振っているという形態の演奏会は、未だかつてあったでしょうか。管楽器と弦楽器・合唱とそれぞれの支持を分担していたとのことです。なんのこっちゃ分かりませんが、一週間前にして通らない曲をなんとか通すにはこの方法しかなかったのですよね。
・・・とまあ、なんだかんだ書きましたが、非常に辛くも楽しい演奏会でした。カルメンの名曲を、ほぼ余すこと無く演奏できたのは、抜粋である組曲版でなく、全曲版だったおかげであると思います。それと今回の演奏会では序曲・第1幕・第2幕は2ndパート、第3幕・第4幕は1stパートと分担することで、ファゴット同士での体力(と精神力)を分散できたことも、この演奏会を乗り切ることが出来た要因だと思います。第4幕にも実はファゴットのソロがあったのも楽しかったです、ダブルタンギング大変でしたけれど。
ちなみに来場者数は934人と、昨年より数割も多い集客だったようです。そりゃオーケストラだけでなく合唱関係者、それだけでなくクラシック音楽に詳しくない人でも知っているであろうカルメンですからね。個人的には1500人ぐらい来場しても大丈夫な公演だったと思うのですけれど。
オーケストラ夢十夜は、第四夜(ドイツ・レクイエム)は就職活動が終わっていなかったためあまり練習できず、第五夜(カルミナ・ブラーナ)は過労でみっちり練習できず、第六夜(聖パウロ)はコントラファゴットの出番が全45曲中2曲という少なさのためやる気が出ず、第七夜は学会出席のため出演せず。ということで、私が夢十夜にやる気を出したのは第二夜(ボレロ、夜想曲。メインのフォーレは私は降り番)以来ではなかったかと思います。合唱付きの曲を行える機会はそうそうないですから、この演奏会はそれなりに頑張りましたし、出来ない部分が残って歯痒いですし、出来た部分は本当に楽しかったです。
次回のオーケストラ夢十夜は2016年9月3日、曲目は一夜目でも演奏したヴェルディのレクエイムだそうです。また大編成な曲ですし、ファゴットは4人必要で、曲の中でも大きな役割を担っている、油断が全くできない曲です。次に向けてまた精進しなければいけませんね。