自分の知り合いが複数人出演しているということで、吹奏楽の演奏を聞きに行ってきました。
ハーツ・ウインズ 第3回定期演奏会
- 日時
- 2011年5月12日(木) 開場18:30 開演19:00
- 会場
- 杉並公会堂 大ホール
- 曲目
- オープニング:W. クラフト / Encounters 2 for solo Tuba
- I. ストラヴィンスキー / 管楽器のシンフォニーズ (1947年改訂版)
- W. クラフト / ティンパニ協奏曲第1番 (吹奏楽改訂版 アジア初演)
- A. コープランド / エンブレムズ
- V. パーシケッティ / 吹奏楽のための交響曲 作品69 (交響曲第6番)
- A. ゴーブ / アウェイデー
- アンコール:P. グレインジャー / 岸辺のモリー
- 指揮
- 大澤健一
- ティンパニ独奏
- 上野信一
- パーカッショングループ
- 上野信一&フォニックス・リフレクション
- 吹奏楽
- ハーツ・ウインズ
開演前に、プログラムにはないチューバのソロ曲の演奏がありました。超絶技巧はもちろん、吹きながら声を出したりなどという奏法もあるすごい曲でした。なんであんな曲が吹けるんだ。
ストラヴィンスキーはフルートやクラリネットが3本ずつ、ユーフォニアムやサキソフォンも無い小さめの編成(でもファゴットは3本、しかも1人はコントラファゴットと持ち替え)、コラールを断片的に旋律と組み合わせているらしいですが、ストラらしい独特の響きでした。
ティンパニ協奏曲は、ティンパニの叩き方も指や複数のバチ、フェルトによるミュートも駆使して、ティンパニだけでこんなに多種多様な音が出せるのかとビックりました。独奏のティンパニだけでなく、他のパーカッションも様々な楽器を用いていました。弦楽器が使うような弓で、なにやら鉄琴の音板のようなものを弾いていたシーンもあったのですが、最後まで分からずじまい。そして吹奏楽の方もかなりまとまりがないと演奏できないような複雑な構成でしたが、最後まで楽しませてくれました。曲の後に作曲者であるクラフト氏ご本人が登壇し、演奏の素晴らしさを評していました。指揮者他の人の話によると、クラフト氏の周囲からは「いま日本に行くなんてクレージーだ」と言われたそうですが、「それでも行く」と決心されて来日したそうです、ありがたいです。
コープランドは途中にアメイジング・グレイスの旋律が出てきたりするのですが、副旋律などで奇妙な雰囲気が残ったりしたまま、華々しいトゥッティで終わります。
パーシケッティは、以前同作者の曲を演奏したことがあるので、今回の演奏会では唯一馴染みがある人です。吹奏楽で交響曲というのは珍しい(気がする)のですが、今回の演奏会中では一番吹奏楽らしい響きだったと思います。ファゴットも活躍していて良い曲ですね。
ゴーブは対してジャジーなリズミカルな曲、木管楽器に素早い動きがあったりして、見ている分には大変そうなはずですが、その困難さを感じさせない素晴らしい一体感でした。
アンコール曲(曲名を忘れてしまった…→グレインジャー作「岸辺のモリー」と教えてもらいました!)も早いパッセージがある難しい曲で、コントラファゴットにもその動きをさせているのにはビックリしました。難なく老けている奏者の方にまたビックリ。
音楽大学出身者で構成されているからでしょうが、演奏者が皆さん上手いので、安心して聞くことが出来ました。演奏会自体も司会の挨拶は殆どなしで、吹奏楽曲をたっぷり聞かせてくれる構成も良いですね。是非次回以降も足を運んで聴いてみたいです。