ファゴット編に続いておけ全体の解説も行ってしまいます。勿論ながらこの解説はB4たかしの独断と偏見でピックアップしているのでご了承を。
ちなみに『悲愴』(fr : Pathétique, Патетическая)というタイトルは、弟のモデストが「標題なら、『悲愴』はどうだろう」と提案したところ、ピョートル・イリイチが「ブラボー!」と採用した — という説があるらしいですが、どうやらそれは弟・モデストの創作であるようです。
また、ロシア語の「Патетическая」は「熱情」とかの意味があるから、いわゆる「悲愴」じゃないんだよ、という話もあるそうですが、チャイコフスキーの自筆譜の冒頭にフランス語の「Simphonie Pathétique」(Pathétiqueは悲愴と言う意味で良いらしい)とあることから、敢えてどちらの意味も持たせることにしたとかなんとか。
始めも終わりもコントラバス
コンバスで始まってコンバスで終わるなんて素敵な曲です。
こんなコメントが書かれたように、悲愴は最初はコントラバス、最後はコントラバスとチェロが音を弾きます。しかもどちらもdivisi。
それ以外に目立ったソロなどはコントラバスには無いけど、曲を通してかなり活躍しています。
ビオラ!ヴィオラ!微音等!
第1楽章の提示部第1主題のメロディはビオラ(初めて聴くとバイオリンに聞こえるけど)。
激しく2×3
4拍子と3連符が混在している。前者は提示部をさらに魅力的なものにすることに効果的になっている。後者は・・・どうなってんだろう。
オクターブに厳しい
第4楽章で第2主題が2回目に出てくる時、メロディーはVn. 1stとVa.に加えVn. 2ndが入る。この時の2ndはdivisiである。何故かと言えば、いままでのメロディのオクターブバランスを崩さないためだと思われる。その証拠に、Vn. 1stのメロディがオクターブ上がる(Va.はそのまま)とVn. 2ndがユニゾンになる。ここからメロディは3オクターブで(ほぼ同じ音量ずつで)奏でられるのだ。
1楽章でもおなじような箇所が出てくる。こちらはヴィオラがdivisiだが、やはりオクターブのバランスをとるためにしていると思われる。
そんなわけで、B4たかしなりに面白そうなところをピックアップしてみました。「銅鑼とトロンボーンのコラール」?「ホルンのゲシュトップ」?「他の木管のオイシいところ」?そこら辺は自分でググってね☆