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ほかにはない情報が、ここにはある(かも)。

東工大附高校を振り返る (4) 高大連携 特別選抜 って?

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2011年2月14日追記:この記事は、2002年から2005年にかけて在校していた頃の学校について、2008年に回顧して執筆したものです。書かれた文章の正確性については万全を期したつもりではありますが、全て6年以上も前の事柄であり、現状とは異なる内容が含まれる場合が大いにあります。最新の情報については、学校にお問い合わせください。

管理人・B4たかしは、記事の内容について一切の責任を負いません。

以前に何度書いたか数えきれませんが、私B4たかしは、東工大附属高校から高大連携特別選抜で東京工業大学に入学しました。

この特別選抜というのは附属高校にしか門戸が開かれていないので、俗に「エレベーター」とも言われますが、いわゆる私立のような簡単なものではありません。この機にいろいろ書いておきましょう。

選抜制度ができるまで

まずこの推薦制度ができることが決まったのはちょうど4年前の2月12日でした。過去の日記には次のように書かれています:

2004/02/13 22:05

昨日発表になったのですが自分は昨日ぐっすり寝てしまったので今日知りました。附属工高から東京工業大学指定校推薦入試が決定したそうです。

つまりは私立のような、高校から大学へのエレベーター方式みたいなもので。推薦で選ばれるのは10人程度だそうですけど、国立大学が推薦枠を設けるのは初めてだそうです。

このことは東工大本家はもちろん、附属工高読売新聞朝日新聞産經新聞共同通信などで報じられました。今日学校から説明のプリントも配布されました。

東工大のサイトによると、東京工業大学は,「世界最高の理工系総合大学を目指す」ことを目標としているそうな・・・目標でかい!

ちなみに附属工高の名称も、東京工業大学工学部附属工業高等学校から東京工業大学附属科学技術高等学校になるそうです。「学部附属から大学直属」ということですが、高校名の文字数としては変わってない・・・

ともあれ来春入学生からですから、大いに関わってきそうな話です。今日は折しも進路説明会でしたので。

2004/3/26

そいえば一昨日は高校の終業式だったというのにその話題が出てなかったですね。ちなみに通知表の方は・・・平均評定はそこそこでした。国語が学期ごとに4・3・3の評定だったのに学年で4だったのは嬉しかったです。「課題研究の方も頑張れば推薦で東工大に行けるかも」と言われましたし。今年は評定平均4.0以上の人が12人もいるという異例の多さだったようで、ライバルも多いのでしょうが・・・。

終業式にも自然にその話題が出てきます。この時点では詳しいことは知らされていなかったのですが、「評定平均4.0以上」は今後推薦に関わる数字となります。

特別選抜についての具体的な説明が出てきたのが4月の下旬。

2004/4/23

今日は7時間目に体育館で進路説明会がありました。就職の日程についてとかセンター試験についてなどについてと、来年度入試から特別選抜についての説明がありました。推薦する10人前後を選抜するのは、一つは評定平均(1年・2年学年と3年一学期)と9月初旬に行う国語・数学・英語・化学・物理・専門の6科目の実力テストによる基礎学力、そしてもう一つは課題研究の経過と、8月初旬のサマーチャレンジ(幕張で数学・物理・化学の講義を受け、レポート・面接・相談を大学の先生と行う)による科学技術に対する多角的素養から評価するようです。

説明会の後、担任の先生がホームルームで説明が不十分だと嘆いて(愚痴って?)いました。確かに評定や実力テスト・課題研究などの評価の出し方や割合などはまだ(これからも?)発表されてないですからね・・・。

この時の自分の読みは当たり、推薦についての正確な選抜の指標は今も明らかになっていません。

特別選抜の前哨戦 サマーチャレンジ

サマーチャレンジについての説明会は7月20日、日記には書かれていないが、東工大クロニクルによると次の通り:

6.事前説明会

39℃という空前の暑さを記録した7月20日の午後,節電警報でエアコンが止められた田町キャンパス4階の大教室にて事前説明会が開催された。定員を越える応募があった中から高校の学業成績によって選抜された生徒は51名,担当教諭のみならず全校から足を運んだ先生方は教室の外まであふれ,この試みにかける高校側の期待の熱さを如実に示していた。

都内の文房具店を探し回って,この日にぎりぎり間に合わせたバインダーが全員に配布される。水谷委員長の趣旨説明,丸山・大竹各委員からの挨拶と進む。チャレンジは5つの扉からなる,しかし,その中味はまだ秘密,なぜなら「まっさらな自分を未知の分野にぶつけてみることで,自分の中に眠っていた何かが目を覚まし,元気よく咆哮を始める。そんな瞬間を体験して欲しい」からだ,といった説明は,高校生には漠然としていたか。

唯一,チャレンジ1の扉だけが半開きで,その「コラムランド」の講師をつとめる山室から,事前に提出するべき宿題について説明があると,少し具体的なイメージを結び始めたようだ。さらに,バインダーの最後に綴じ込まれた空のレフィルに「ここに修了証書を入れられるよう,がんばろう」と呼びかけると,ようやく表情がふっとほぐれ,引き続いて行った班分けの籤引きでは笑い声も湧いた。試験というプレッシャーを生徒たちに懸けすぎないようにと苦心を重ねてきた高校の教諭陣も,ややほっとしたようだ。

8月10日(火)8月11日(水)8月12日(木)
10:00-10:15
集合 受付
10:30-11:00
開校式
オリエンテーション
7:00-9:00
朝食&身支度
7:00-9:00
朝食&身支度
9:00-12:00
チャレンジ3
9:00-12:00
チャレンジ5
11:00-12:00
チャレンジ1
12:00-13:30
昼食&休憩
12:00-13:30
昼食&休憩
12:00-13:30
昼食&休憩
13:30-16:30
チャレンジ2
13:30-16:30
チャレンジ4
13:30-16:00
個人面談
13:20-16:00
修了式
終了証書授与
16:30-19:00
夕食&リフレッシュ
16:30-19:00
夕食&リフレッシュ
19:00-21:00
交流会
自己紹介スピーチ
19:00-21:00
イヴニング・トーク

このときにサマーチャレンジの班分けも行われたけれど、お互いそんなに面識がなかったので話さなかったな。

確かにこのときは生徒は緊張してた。なにせ初めてのことばかりだから、「教科書とか持って行くのか?」とか「勉強会でもやるのか?」とかいろんな想像をしていた。そんなことは杞憂に終わったけど、当日何をやるのかは結局わからず、「こらむらんど」の課題だけが渡された。

サマーチャレンジ当日の様子に付いては、クロニクルに詳しく載っているのでそちらを参照してください。

クロニクルで気になったところをいくつか。

チャレンジ1「コラムランド」は,理系ワールドに突入する前に軽く日本語のレッスン,という趣向である。お題は「海」。事前に宿題で書いてきた中から選んだ10作品について,各班ごとにディスカッションしてベスト3を選出し総合順位を競う。同じ高校に学ぶとは言え,籤引きで編成され所属する科もまちまちという5人のチームが,まずはお互いを確かめ合う,いい機会となったようだ。力作揃いの作品の中で首位をさらったのは,「オッサンと女子高生とオッサンと男子高生とおじさまと OL と……」ユニークな表現で満員電車の人の海を表現した作品であった。おめでとう! 

この首位の作品、自分のです。高校生こらむらんどの最初の1位だ、やったね☆

賑やかなムードの中で生徒たちの1分間スピーチが始まった。司会の大竹が洒脱なユーモアを交えつつ和やかに場をリードしてゆく。

この時の自己紹介で、質問の時間に「踊って下さい」と要望されて、踊ったのも自分です。

各自,夜景のきれいな豪華個室の夜へと戻る。友達どうし行ったり来たり。1部屋最高記録9名。

ホテルの個室みたいで、本当に豪華だった。2泊3日でこの部屋、食事も付いて教授の講義も聴けて1万円は安いなあ、と今さら思います。

1部屋9名は自分たちのことかも。吹奏楽部で集まってUNOとかトランプに興じていました。

日記には次のように書かれている:

2004/8/16 サマーチャレンジ

10日から、工高の3年生を対象にした、東京工業大学高大連係夏期集中特別プログラム「サマーチャレンジ」(長!)を受けに、海浜幕張のOVTAの研修施設に行きました。主な受講内容は以下の通り。

  • 1日目午前:チャレンジ1 コラムランド・・・事前に生徒が提出したコラム51作品の中から大学教授が選出した10作品の中から生徒らが班で採点して順位を決める。ただしその作品の作者は順位確定まで教えない。
  • 1日目午後:チャレンジ2 ゲーム理論・・・「ゲーム理論」(複数の主体が存在する元手の意思決定理論)を聴講。『Aさんが乗るタクシーに、途中で降りるBさんとCさんが便乗したときの、公平なタクシー代の分担の仕方』みたいなことを数学的に。
  • 1日目夜間:交流会 自己紹介スピーチ・・・その名の通り、生徒が前に出て自己紹介。そして高校&大学の先生が自己紹介とともに○×クイズを出題。
  • 2日目午前:チャレンジ3 生物機械工学・・・「生物機械工学」(生物を機械的な面から分析していく)を聴講。生物の身長と体重の関係、移動効率や適応機能など生物学とは異なった面から分析。ロボット学ではありません。
  • 2日目午後:チャレンジ4 液晶・・・「液晶」の講義を聴講。液晶の特徴や形状、またその性質など。外圧や電圧を加えたりとか、棒状の液晶分子以外に、円盤形があるとか。
  • 2日目夜間:イブニングトーク・・・プラスチック製霧吹き・カセットテープ・液晶電卓を分解し、材料及び構造を観察する。
  • 3日目午前:チャレンジ5 イブニングトーク中に分解した物品について、その内の1つをOHPにして基調講演をする。発表する物品と順番はくじで決め、5分の発表の後5分の質疑応答。
  • 3日目午後:個人指導・面談
  • かなり端折りました。液晶のところは間違いがあるかも。ちなみにチャレンジ1で、自分のコラムが1位になってました。テンポがよく、しかも通学のつらさを描いたので今日考えられたみたいです。

    OVTAの食事は基本的に3つから選べるのですが、それぞれ美味しくてよかったです。むしろ量が多いくらいで食べるのが大変でした。

総じて楽しかった、というのが素直な感想。自分は本当に修学旅行のような気分で体験したので。でも20名近く教授とか助教授とか講師とかが51名の生徒を相手にするのってほかにない機会だよなあ。

特別選抜 試験ほか

9月の初めに例の実力テストがありました。確か自分の順位は機械科で4位、学年全体で10位と結構健闘していました・・・けれど、クラスから平均2名選出となると、やっぱ厳しいかなあ、とも思っていました。

そして9月の中頃、特別選抜の受験資格を得る10名 — つまり特別選抜に内定した人 — を、個別に先生に呼び出されて聞きました。表立っては未だ言えないため、後の日記ではこう表現されている;

2004/10/23 近況報告

さて、今まで日記の更新を行っていなかったのは勿論受験生だからなのですが(2回程掲示板に書きましたが)、何故また日記の更新を再開したかと言うと、これから発信していく情報が山ほどあるから!ではなく、進路に関してちょっと動きがあったからです。

まだ確定した訳ではないので何とも言えませんが、過去の日記(2004/02/132004/4/23)を読んで察してください。”

2ちゃんねる掲示板にはこう書かれている:

266 名前: 名無しさん@3周年 Mail: 投稿日: 04/10/03 15:43:26 ID: VQ09bMsZ

>>246
>工業に対する熱意が強ければ(あくまで偏差値・学力じゃない)上手くすればそのまま東京工業大学に行ける

東工大は学力を求めています。
成績順に上位5人が推薦入学できるのだろうね。

271 名前: 246 Mail: sage 投稿日: 04/10/06 1:06:06 ID: py7esv9T

>>266
白状するとおいら、1学期の評定平均4.0だったが、
明日の大岡山の面接に行くことになった。
評定平均4.5の友人は特別選抜の10人の中に選ばれなかった
思うに、「学力がないけど他にきらりと光る素質のある人」が欲しいのでは
(いわゆる『多面的素養』)
学力を求めてるんだったら一般入試で入ってくれればいいのでしょう、多分。

ではいってきますノシ

まあこのおいらはおいらなわけで。

正式に東工大合格が決まったのは2004年11月29日。

2004/11/19 東京工業大学に受かりました

前々から仄めかしてはいましたが、2004年11月19日、B4たかしは高大連携特別選抜によって、東京工業大学第4類(機械系、2年時より学科に所属)の入学が決定しました。

東工大の七十周年講堂前の掲示板に張り出されたのが15時頃、その頃自分は田町の附属高校の体育館で生徒総会に出てました(やる気ない総会ですけど)。その後教室に戻って、ホームルーム後に友達と喋っていたら、友達の1人が「(選抜された)10人全員合格だって先生が言ってたよ」って言ってきて、掲示板をみる前に合格の知らせを聞いてしまいました。うーん何だか今イチな終わり方だ・・・。

合格は決定なのですが、どうせなので自分の目でそれを確かめることに。大岡山のキャンパスの、七十周年記念講堂の横にある掲示板に張り出されてました。番号と類だけとかなりシンプルですが。電子科三人の人と、高校の事務の人がいました。受験者全員が掲示板をみたのかなあ・・・?

入試の分類としては指定校推薦入試で、ほぼ間違いなく受かるだろうとは言われてましたが、万が一落ちたら!とハラハラしてました。受かってよかった、と安心するのもつかの間、実はセンター入試試験は受けなくちゃならないんです。安心して勉強を全然しないで大学に入るのを防止する策なんでしょう。

何はともあれ、来年も国立大学法人東京工業大学にお世話になります。

以上、ざっと振り返ってみました。

選考基準は

上にもあるように、高大連携特別選抜は、東工大が学力以外で学生を選抜するために設けた制度。私見では、サマーチャレンジの行動が(こらむらんどや自己紹介の踊りも含めて)かなり配点が高かったんじゃないかと思います。評定平均4.5の彼は課題研究もかなり頑張ってたのになあ。

でも結局、選抜の決めては教授陣の一存によるんじゃないかと思います。「取りあえず1年目は面白そうな奴を集めてみようか!」という感じで。そしたら数学の単位をボロボロ落とすので、「2年目は学力をもうちょっと重視で!」という方向になったりとか。現に、なぜ自分が選ばれたのかは今も教えてくれないし。

だから、サマーチャレンジを頑張ったからと言って特別選抜に選ばれるとは限らないし、勉強だけ頑張ったところで選ばれるかも判らないのです。

で、選抜されて良かった?

選抜されて、東工大に入るまでは楽に行けたのですが、その後が大変。何せまわりにいる学生は、手強い受験戦争を勝ち抜いてきた強者ぞろい、当たり前だけど学力に差があり、特に数学に格差を感じました。自分は前期も後期も数学の単位を(微積・線形ともに)落としてしまったし。

特別選抜学生の特典は、某所に選抜学生のみが使える学習スペースが与えられること。2年間しか使えませんが、パソコンとプリンターが備わっています。「そこで勉強してね」ってことかと。実際自分もよくレポートなどに使っていました。

また、特別選抜の学生10名が担当の教授と週に一度(今は月に一度ペースらしいけど)、某所でミーティングを行います。議題は主に「大学の授業について行けるか」とか「学生室の使い勝手はどうか」とか。で、前期に単位を落としてしまうと、教授に「後期は頑張らないと」と迫られたり。いや、教授自身からはそんなに脅迫されないけど、他の大学の先生や、一度学生全員で1年のときに高校を訪れたときには高校の先生からもそんなことを言われました。

そう、特別選抜学生にあってほかの学生にないもの、それは「圧力」です。それは今後の高大連携特別選抜のためにも頑張ってほしいと言う期待と、附属高校に汚名を着せるなと言う脅迫とが入り交じった無言のプレッシャーです。

このために、「やっぱり一般入試で他の大学に行っておけば良かったかなあ」なんておもうのもしばしばです。

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