音楽を奏でる喜びよ – 毘沙門#59

7月4日は、毘沙門天管弦楽団の演奏会でした。

毘沙門天管弦楽団 第59回演奏会 フライヤー
毘沙門天管弦楽団 第59回演奏会 フライヤー

毘沙門天管弦楽団 第59回演奏会

日時
2021年7月4日(日) 開場12:45 開演13:30
会場
ひの煉瓦ホール(日野市民会館) 大ホール
曲目
エクトル・ベルリオーズ / 序曲『ローマの謝肉祭
リヒャルト・ワーグナー / オペラ『トリスタンとイゾルデ』より 第1幕への前奏曲、第3幕第3場「愛の死」
セザール・フランク交響曲 ニ短調 FWV 48
アンコール : ヨハン・セバスティアン・バッハ | 団員編曲 / 主よ、人の望みの喜びよ
指揮
横山俊充
入場料
1000円・全席自由

第57回演奏会が開催されたのが2020年2月です。第58回演奏会は2020年7月に開催予定だったのですが、コロナ禍のために2021年1月に順延となりました。2020年12月末まではその日程で開催予定だったのですが、緊急事態宣言の再発令により中止となり、「第58回」は欠番となりました。第58回演奏会で演奏予定であった曲目を、2021年7月に開催する第59回演奏会にスライドしての開催となりました。

ベルリオーズはテンポが早くて激しい音運びが難しい!ワグナーはゆったりしたテンポだけれどハーモニーが幾重にも重なっていて難しい!フランクは響きづらいオーケストレーションが多くて聞かせるのが難しい!という仕上げるのが難しい曲ばかりだったのですが、概ね1年間の練習期間となったおかげで、曲への理解がそれなりに進んでいたと思います。ただ、中プロ冒頭はもうちょっといい感じにしたかったなあ…

毘沙門天管弦楽団 第58回演奏会 フライヤー
毘沙門天管弦楽団 第58回演奏会 フライヤー

第58回演奏会は1ヶ月前まで開催予定だったこともあって、チラシやチケットなども制作して配布も行っていました。そのときに作ったのがこちらのチラシ、セーヌ川に架かるアレクサンドル3世橋とエッフェル塔の写真を使いました。

ちなみにベルリオーズ「ローマの謝肉祭」の初演は1844年、ワグナー「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲の初演は1860年、フランクの交響曲は1889年に、いずれもパリで初演されています(「トリスタンとイゾルデ」全曲初演は1865年にミュンヘンにて)。いずれもパリという繋がり、しかもフランクの交響曲初演とエッフェル塔の完成が同じ年、という繋がりで、パリのエッフェル塔をデザインに取り入れることとしました。ただいずれの曲もフランスっぽい自由奔放さは控えめなので、セーヌ川を中央に配置して塔の姿は脇に置いています。

チラシに添えたモチーフ、「Fluctuat nec mergitur 揺蕩(たゆた)えども沈まず」はパリ市の標語です。もともと水運の中心地だったパリで、水上商人組合の船乗りの言葉だったが、やがて戦乱、革命など歴史の荒波を生き抜いてきたパリ市民の象徴となっていったものですが、コロナ禍で翻弄されながらも音楽活動を続ける私達の姿と重なると考え、取り入れました。

第59回演奏会に順延になったときにチラシも一新することとなったのですが、ちょうどアレクサンドル3世橋とエッフェル塔のほぼ同じ構図の写真、しかも日が落ちて夕方の写真が見つかったので、それに差し替えることとしました。

アンコールはバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」。フランクがバッハの熱心な研究家であり、対位法などを曲にふんだんに盛り込んでいることからこの曲に決まりました。

ところで、本演奏会ではアンコール曲の掲示ポスターも私が作ることにしました。それがこちら。

毘沙門天管弦楽団 第59回演奏会 アンコール曲案内ポスター
毘沙門天管弦楽団 第59回演奏会 アンコール曲案内ポスター

そうです、エヴァです。ヒネモス第13回定期でも少しそのテイストがあったりなかったりしたのですが、今回はより直接的にインスパイアしました。

  • シン・エヴァ アヴァン前で流れる映像「これまでのエヴァンゲリオン」の映像のBGMで『主よ、人の望みの喜びよ』が使われている
  • アヴァンのシーンがマリおよびヴィレによる『パリ市街戦』である
  • 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が絶賛公開中(演奏会当日)

これらを考慮した結果、「まるでエヴァっぽい」デザインおよび色使いとしました(マティスEBのフォントは持っていなかったので、似た太い明朝体を使いました)。分かる人にしか分からない(毘沙門を聞きに来る層には多分ほとんど分からない)ネタですが、デザイン担当者の特権を使ってねじ込みました。