シン・ゴジラはガルパンではないか・・・!?

http://www.khara.co.jp/2015/12/10/%E5%BA%B5%E9%87%8E%E7%A7%80%E6%98%8E%E7%B7%8F%E7%9B%A3%E7%9D%A3%E4%BD%9C%E5%93%81-%E3%80%8E%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%80%8F-%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%93/
庵野秀明総監督作品 『シン・ゴジラ』 ティザービジュアル&特報 公開中 | 株式会社カラー via kwout

シン・ゴジラの総監督である庵野秀明氏は新世紀エヴァンゲリオンの監督で知られ、明朝体のフォントなどの画面構成、音楽を一部エヴァから流用する、果てはゴジラ対エヴァンゲリオン特設サイトを公式に設置するなど、シン・ゴジラとエヴァンゲリオンの共通点はいくつも挙げられています。

しかし、私は敢えて主張したいと思います。シン・ゴジラはエヴァンゲリオンではありません。シン・ゴジラはガールズアンドパンツァー(ガルパン)ではないでしょうか。

以下、共通点をいくつか挙げてみます。あ、なるべくネタバレは書かないようにしますが、気になる人はさっさとブラウザを閉じましょう。

(今朝シン・ゴジラが凄かったという記事を書いただけでは昂奮が収まらず、ついカッとなって書きました。しばし私の戯れ言にお付き合い下さい。)

ストーリーが分かりやすい

「母校を廃校の危機から救うため、戦車道で対戦→なんやかんやあったけど勝利して母校は存続」というガルパン、「東京をゴジラから救うため、日本が頑張る→なんやかんやあったけど――」というシン・ゴジラ。「なんやかんや」という点が重要だったり、ストーリーに含まれているいろんな意図があったりするのですが、ストーリーの軸は単純です。

エヴァンゲリオンの場合、最初は使徒から地球を護るためエヴァンゲリオンに少年少女が乗って戦う、というストーリーだったはずが、人類補完計画とかいうキーワードが出てきた辺りから話が複雑に。最終回は「おめでとう」でシンジ君が拍手で迎えられる、はたまたアスカとシンジだけ残ってあとは全滅?とか、どうもハッピーエンドではありません。かといって単純にバッドエンドとも言えない…まあつまり難しいのです。

敵ときちんと対峙する

ガルパンTV版での大洗女子学園対聖グロリアーナ女学院の練習試合でウサギさんチームが逃げ出してしまったりしましたが、その他はどの選手も必死に最後まで戦います。劇場版での知波単学園の突撃バカっぷりはやりすぎですが、どんなに不利な戦いであっても、みほ率いる大洗は最後まで諦めません。

シン・ゴジラでは初動に不備があったものの、人類はきちんとゴジラと向き合います。登場人物全員が、対ゴジラに真剣です。

ちなみにエヴァンゲリオンでは、シンジとかアスカとか、精神的にやられて戦闘不能になったりします。

恋愛要素の排除

ガルパンは出演しているのが女生徒ばかりということもありますが、作中で恋愛の様子が描かれることはありません。まあ武部沙織が恋の話に花を咲かせたり、サンダース大学付属高校のアリサはタカシと上手くいっていないらしいですが。

シン・ゴジラでは出演者の多くが男性、女性も少なからず出ているのですが、作中で恋愛に発展する様子は皆無です。というか、出演者の家族がどうしているのか、といった話しも描かれておりません。

対してエヴァでは、シンジは年上のミサトさんや同い年の綾波レイやアスカにと大忙し。アスカとはキスもしてるし、オカズにしてるし。

細かいところまで調査・再現されている道具、地形

これはエヴァ含めて3作品ともそうだと思うのですが。シン・ゴジラに出てくる兵器類は勿論、会議室の内装、衣装や書類の手続きに至るまで、綿密な調査に基づいて細かいところまでリアルに描写されています。リアルでない箇所は、「ゴジラ」そのものぐらいでしょう。

現地調査を細かく行ってそれを反映させているのはガルパンもそうです。(以下、あんこうニュース #伝わらないかもしれないけどガルパン劇場版の好きなシーンまとめまとめその2より)

その割に荒唐無稽な作戦

戦車の造りはリアルなガルパンですが、割と飛んだり跳ねたり転がったり、「そんな動きしねーだろ!」ってことも頻繁に起きます。

シン・ゴジラに於いても、「ええ・・・それをそう使うの・・・?」って戦い方が繰り広げられます。通常の戦い方では叶わないからそういう変化球を繰り出したのでしょうが。「どんな戦い方か?」というのは、劇場で確かめて下さい。

119分に凝縮された映像

ガルパン劇場版は本編がギリギリ119分(『3分ちょっとで分かる!!ガールズ&パンツァー』を含めると123分ほど)。この時間の中で、TVシリーズよりも多くの戦車を撃破させる描写があったわけで、如何に映像を盛り込んだかが伝わります。

シン・ゴジラの上映時間も119分、これはおそらく偶然ではなく、「120分の枠に収める」ということから尺を調整した結果ではないでしょうか。緩急つけた構成も、長くなってしまいがちな時間をなるべく短縮しようとした結果と推測されます。

さて、ここまで「シン・ゴジラはガルパンである」を説明するための項目を上げてきたのですが、残念ながらシン・ゴジラはガルパンではないようでした、申し訳ありません。普段はぽ〜っとしているのに戦車になると軍神になる西住みほも、対大学選抜作戦会議でカチューシャに睨みを効かせる西住まほも、大洗のために各高校に打電するダージリンも、高校が無くなってしまい不貞腐れヤサグレる園みどり子も、ガルパンには出てきますが、シン・ゴジラには出てきません。

シン・ゴジラに出てくる可愛い女の子は、石原さとみぐらい?あと何名か女性も出てきますが、なんというか色っぽさは皆無です。まあゴジラ出現という非常事態なので当然といえば当然ですが。

シン・ゴジラはガルパンではありませんが(そりゃ当然だろ、というツッコミはご容赦下さい)、両作品とも、「オタクが自分の願望をすべて注ぎ込んだ濃密な作品」という点ではやはり共通するところだと思います。この夏、日本に新たなゴジラ像を提示し、邦画の可能性を魅せつけてくれたシン・ゴジラ、是非とも劇場でご覧ください。

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