大学院経営工学専攻の授業で、「マネジメント特論」というのがあります。エンジニアリングに必要なマネジメントの考え方を、企業のトップの方やトップ経験者などが毎回講義してくれるという授業で、今までにも日産自動車や日揮、ブリヂストンの方が会社の技術開発や海外展開、福利厚生などについて1時間半の講義をしてくれました。
今回の講師は、民主党参議院議員、藤末健三氏、東京工業大学出身で、通商産業省に入省した後にマサチューセッツ工科大学・ハーバード大学に留学し、1999年には東大の講師になるという異色の経歴の持ち主だ。
話の大まかな内容としては、現在「会社は株主のもの」という観念から株主が会社の利益を吸い取っている現状(その結果、会社本体はおろか、社員や取引先や顧客、そして税を徴収する国の利益も少なくなっているとか)はおかしいと考えて、会社のあり方の仕組みを変えていかなければならない、という感じ。
これらの内容をただ説明するだけでなく、教室にいる学生を指名して質問してみせたりと、今までの講師とは違った講義の進め方で非常に面白かったです。前述の会社のあり方についても結構賛同できる点が多かったし、非常に好印象でした。
「会社のありかただけでなく、企業の技術開発を支援することで会社を支援することは考えているのか」と質問してみたところ、「技術開発も支援していきたいし、また企業の海外進出なども積極的に後押ししていきたい」と(自分的に)明るい答えが。ほら、民主党の事業仕分けでスパコンの予算縮減とかいろいろ科学技術界にとって暗い話題も多かったので、これはちょっと一安心。
・・・と本人のブログを読んだら、「スパコンの復活を!」というタイトルの記事を発見。日経Tech-Onに記事を執筆しているようです。
惜しむらくは、ふじすえ氏は政府の重職についていたりはしないので、彼の意志がそくざに政治に反映されないこと。同氏にはもうちょっと期待してみたいです。