ショスタコーヴィチー11・12@日比谷公会堂

革命的な興奮が沸き立つのが、体中の隅々から感じられた。・・・と言えば、自分がどれだけ感動したか伝わるかな。

日比谷公会堂で全8回行われる日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007の7回目の演奏会、交響曲第11番「1905年」と交響曲第12番「1917年」を聞いてきました。どちらも自分は生で聞くのは初めて。指揮は井上道義、管弦楽は名古屋フィルハーモニー交響楽団。

11番は3管編成の管楽器に加えハープ3台に銅鑼やチェレスタまでが舞台上に所狭しと(本当に狭い!)並んでいました。2楽章はティンパニとスネアの活躍が凄過ぎです。3楽章でのヴィオラのメロディは一転して暗く引きずるようでコントラストが良いです、てかヴァイオリンを伴奏に差し置いてまでメロディを続けるような曲ってそうそうないよね、大活躍だ。そしてバスクラは随所で活躍していました、特に4楽章の終盤あたりなどはシビれました。あの音色はファゴットじゃ無理だー。ファゴットは1楽章の最初あたりで失敗してたけど、後半からノって来たみたい。

12番は、先の11番が60分以上あるせいか、40分という演奏時間が短く感じられたくらい。1楽章のファゴットのソリはやっぱカッコいい。ていうか木管難しそう。いや難しいだろうなあ、どう考えても。2楽章は、薄氷の上を滑るような、薄い音の響きの上での各ソロに感動しました。・・・と思ったらあっという間に4楽章。最後まで金管が力強い!

そんなわけで終始緊張しながら(ショスタコだもの、寝てなんか居られないし!)聞いてたわけですが、とても濃密な2時間を過ごせました。この2つの大曲をやり遂げた名フィルに、ミッチーには演奏終了後も惜しみない拍手が観客からわき起こりました。どれだけ惜しまなかったかと言えば、指揮者が何度か袖に引っ込んだり舞台に出たりを繰り返した後、半ば強制的に楽団員を退場させた後も拍手が続いたほど。おかげで手のひら真っ赤っ赤。でもそれだけ感動を共有できたと言う事でしょう。


[名古屋フィルのトラック]


[日比谷公会堂 外観]


[2階席から舞台]


[1階席から舞台]

演奏以外では、この演奏会の主役である日比谷公会堂にも感動しました。座席に肘掛けはないし舞台も狭いし響きも良いとは言えないけれど、レトロな煉瓦作りの外観に、古めかしい天井や壁面の装飾が、観客をロシア革命当時へとタイムスリップさせてくれました。豊かな残響で包み込むような最新のホール(サントリーホールとか東京芸術劇場とか)では出せないロシア、いやソ連の寒さは、ここ日比谷公会堂でしか出せないのではないでしょうか。

都心にクラシック音楽に十分耐えうるだけの設備を持ったホールがあるのだから、是非今後もこの資産を生かして、音楽の殿堂としての日比谷公会堂を復活してもらいたいです。どこまで最新の設備を導入しつつ古い施設を残すかの判断が難しいところですが、是非頑張ってほしいものです。

そいえば、今回の演奏会に東工大オケ関係者が非常に多かった気がする。総観客数の1パーセントはいたのでは。

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