バルトークのオケコン by ミモザ#3

生配信企画から6日後、今度は有観客での演奏会、オーケストラミモザ第3回演奏会に出演しました。

Orchestra “mimosa” 第3回演奏会

Orchestra “mimosa” 第3回演奏会 フライヤー
Orchestra “mimosa” 第3回演奏会 フライヤー
日時
2021年2月27日(土) 開場13:30 開演14:00
会場
カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター) ホール
曲目
フランツ・フォン・スッペ / 喜歌劇「軽騎兵」序曲

Franz von Suppé / Light Cavalry Overture
フランツ・リスト / 交響詩「前奏曲」S.97

Franz Liszt / Les préludes, S.97
バルトーク・ベーラ / 管弦楽のための協奏曲 Sz.116, BB123

Bartók Béla Viktor János / Concerto for Orchestra, Sz.116, BB123
入場料
全席自由 500円(事前予約制)
指揮
喜古恵理香

第1回演奏会には観客として、第2回演奏会にはエキストラ奏者として参加したOrchestra “mimosa”、第3回演奏会は団員としての参加となりました。

前回演奏会の公演の頃から、既に新型コロナウイルス感染症の蔓延が日本でもジワジワと広がっており、その時も運営の方がホール出入り口の扉を消毒するなど、対応に追われていました。

第3回演奏会においてもコロナ禍の影響が尾を引いており、当初公演を予定していた大田区民ホール・アプリコは舞台上に同時に乗れる人数が制限されていることから、「管弦楽のための協奏曲」など編成の大きな曲目を演奏するため、川崎市のホールに変更したという経緯があります。またチケットについても、物理チケットによる接触を極力減らすためにteket(テケト)によるチケットシステムを採用しています。

また今年初めに発令された2度目の緊急事態宣言のため、1ヶ月間もの間練習がない期間があるなど、練習日程も流動的に変更せざるを得なかったようです(最後の1ヶ月は感染予防対策を行いながら、宣言下においても練習を再開していました)。結果的に感染者が出ていないことから万全な感染対策で演奏を行えたのですが、運営陣が例年以上に苦労して開催にこぎ着けたことは想像に難くありません。

今回のメイン曲、バルトークの管弦楽のための協奏曲、通称オケコンはどのパートにも技巧的にも難しい独奏が数多い、3管編成の曲です。

バルトーク / 管弦楽のための協奏曲 3rdファゴット・コントラファゴット パート譜 第5楽章 抜粋
赤い部分がコントラファゴット、青い部分が3rdファゴット

コントラファゴットは3rdファゴットと持ち替えなのですが、そのコントラファゴットがどれくらいのものかというと… 実は第5楽章で11小節しかない、という出番の少なさなのです。あとはすべて通常のファゴットでの出番のみです。コントラバス、トロンボーン3rd、チューバと同じように動いているため目立つわけでもなく、木管楽器の特殊管(ピッコロ、バスクラリネット、イングリッシュホルン)と比べても目立たなさでは随一です。これだけやりがいのないコンファゴ持ち替えは、19小節Hを伸ばすだけで出番終了のニールセン交響曲第4番《不滅》以来かもしれません。

バルトーク / 管弦楽のための協奏曲 スコア 第1楽章
緑の部分がファゴット 1st・2nd、赤の部分がコントラバス

ちなみに本番では、内緒でもう1箇所、コントラファゴットで演奏していました。第1楽章の再現部、チェロとコントラバスとファゴット1st・2ndが出てくる場面…なのですが、ファゴットの下の音域が足りないためにオクターブの下への跳躍が発生しているところがあるのです。ここをコントラファゴットで(即ち、コントラバスの譜面をそのままコントラファゴットで)演奏していました。ぶっちゃけ大勢に影響はなかったんだろうな、とは思うのですが。

コントラファゴットよりも断然目立てたのは第2楽章でしょう。各楽器の1stと2ndがそれぞれ同じ間隔でメロディを演奏する、「対の踊り」というくらいの見せ所… なのですが、ファゴット3rdが出てくるところのみは3パートで、しかも3rdだけ全く違う動きをしているのです。なんでしょう、踊っている2人を尻目に好き勝手囃し立てている感じなのかな、と考えていますが、2人のテンポを崩さず弁えつつ、しかし3rdが他と違う動きの違和感を消さないように演奏することを心がけました。多分それなりに上手く出来たんじゃないかな、と思います。

コロナ禍の中でも演奏の質を落とさず、集客も含めて成功した演奏会といって良いのではないのでしょうか。

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