2021年最初の本番は生配信企画 – だいたい平成音楽会 オーケストラ生配信大作戦!!

緊急事態宣言のためにいくつかの本番が中止となる中で、私の2021年最初の本番は、2月21日に交響曲の第4楽章ばかり演奏する、無観客・生配信の企画でした。

だいたい平成音楽会 オーケストラ生配信大作戦!!

日時
2021年2月21日(日) 15:00〜15:45
会場
江戸川区総合文化センター 大ホール
入場
無観客公演・オンライン配信
曲目
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン / 交響曲第7番 イ長調 作品92 より 第4楽章
ヨハネス・ブラームス / 交響曲第2番 ニ長調 作品73 より 第4楽章
アントニン・ドヴォルザーク / 交響曲第8番 ト長調 作品88 より 第4楽章
ピョートル・チャイコフスキー / 交響曲第5番 ホ短調 作品64 より 第4楽章
指揮
山上紘生

平成生まれの音楽家を中心としたコミュニティである「平成音楽会」に、私のような昭和生まれも加わっているので「だいたい平成音楽会」と称している、みたいです。

弦セクションの各トップを中心にプロ奏者も加わって、一日でリハーサルと本番・配信を行うという企画でした。これは「フリーランスのアーティストへの仕事を作る」「生演奏以外の公演方法の模索」という2つを目的としたものです。長いですが、以下企画ページより引用です:

※必ずお読みください※

2021.2.18

開催にあたって

COVID-19の中で,あるいは緊急事態宣言下で「演奏会を開催」するのは不要不急なのでしょうか?確かに,最低限の生活をする為に必要な行為(飲食,睡眠等)ではないかもしれません。しかし,「演奏会を開催する」という行為ではなく,「演奏会を開催する」ことが何を生むかをもって,不要不急かを判断すべきではないでしょうか。

さて,本公演を開催することは大きく2つの意義があります。

  • ①フリーランスのアーティストに謝金の発生する仕事を作る
  • ②「生」演奏以外の方策を含めた新たな公演方法を模索する

まず,「①フリーランスに謝金の発生する仕事を作る」ことは,フリーランスのアーティストの生計に直接繋がります。現在多くの演奏会が中止となり,これはアーティストの収入がなくなることを意味します。特別定額給付金,持続化給付金,家賃支援給付金,文化芸術活動の継続支援事業等等といったこれらの公的扶助を全て利用したとしても,300万円にも届きません。しかも,文化芸術活動の継続支援事業は150万円が給付されるために,183万円の経費が必要で実質赤字が前提です。たとえ,自主企画を開催したとしても,この状況では赤字が必至です。このような中で,フリーランスのアーティストの収入に繋げる為には,「演奏会を開催する」ことで演奏への対価として謝金を支払うしか方法がありません。

次に,「②「生」演奏以外の方策を含めた新たな公演方法を模索する」ことは,今後の公演の開催方法の開拓に繋がります。COVID-19により,オーケストラ業界にも生配信やアーカイブ配信といったICTを活用した公演の開催方法が取り入れられてきました。しかし,実際のところ,インターネット環境に依存して多額の費用が発生しております。例えば,公共施設では午前中に光回線等を工事で開設し,有線LANを作り,閉演した後に工事で撤去することになります。引っ越しの時と同様の作業で,10万円に近い工事費用が掛かります。これではプロのオーケストラならまだしも,アマチュア団体やプロの企画等では採算がとれません。そこで,今回は身近なポケットWi-Fiを活用し,演奏が生配信できるかの実験を行います。これが現実味を帯びれば,新しく安価にICTを取り入れた演奏会を開催するモデルケースとして提示できることになります。もしこのまま演奏会が2年間中止となり続けると,復帰は難しく,既存の開催方法とは異なる方法が急ぎ求められているのです。

以上,本公演は2つの意義があり,単純に不要不急と判断できないのではないでしょうか。もちろんこれをもって安易に開催するのではなく,最小限の行動,最大限の感染症対策で演奏会を開催することが重要となります。これまでに演奏会の準備(企画会議や契約書作成)は全てオンラインや郵送等で行い,2月から体調管理を実施し,さらに演奏自体も当日のみとしております。また,当日は感染症対策を行った留意事項や舞台配置をもって実施します。

このような決意と準備の下,演奏会を実施していることをご理解頂き,下記URLより演奏をご覧になって頂ければ幸いです。

これらに対するご意見がございましたら下記メールアドレスよりご連絡頂ければ,ご返答をさせていただきます。

連絡先:heisei.music.group@gmail.com

「当日のリハーサルだけで演奏が成り立つのか?」というところが不安だったのですが、演奏した曲がいずれもオーケストラ奏者であれば一度は演奏したことがあるであろう有名な曲、プロ含め実力を備えた奏者が集められていた、ということなどからちゃんと仕上がった演奏になっていた、と思います。

チャイコフスキーの演奏を始める前に回線が一時中断した以外は、動画生配信も問題なく出来ていたようです。生配信で見たのが100人程度、その後じわじわ再生数が増えて、今は1000回ほど視聴されているようです。

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