私の所属するHynemos Wind Orchestra(ヒネモス・ウインド・オーケストラ)の第9回定期演奏会が、4月23日に行われました。
今回の演奏会曲目は全てアメリカの作曲家によるもの。しかも作曲年代は1944年(コマンド・マーチ)から1972年(ディエス・ナタリス編曲)と20世紀の中頃から後半への時期に集中しています。
第9回定期演奏会の曲目を並べて見ると、第2次世界大戦からアポロ計画終結までの30年余りという、短い期間に年代が集中しています。 #Hynemos pic.twitter.com/d1INGvsOlJ
— ヒネモス・ウインド・オーケストラ (@hynemoswind) 2017年3月20日
なお同じくアメリカ特集だった第4回定期は1924年(ラプソディ・イン・ブルー)から1977年(オセロ)、より幅広い年代となっています。ラプソディ・イン・ブルーってこの中では結構古い部類に入っていたんですね。
比較のために、同じくアメリカ特集であった第4回定期演奏会の曲目を並べてみると…こちらは50年以上の年代に跨っています。 #Hynemos pic.twitter.com/9N32qFn7zs
— ヒネモス・ウインド・オーケストラ (@hynemoswind) 2017年3月20日
さて、アメリカ特集ならばどのようなデザインにするべきか。第4回定期では星条旗を全面に打ち出しましたが…自由の女神、ラシュモア山、ニューヨークの摩天楼、ワシントン記念塔など、アメリカの象徴はいくらでも挙げられます。そのいずれも一目見れば「アメリカに関連する曲目なのだな」と伝わるでしょう。
ですが今回はそのいずれも採用しませんでした。
Q. ヒネモス第9回定期演奏会のチラシデザイン、どうしてこのように月面着陸船なのでしょうか?
1. 1940年代〜1970年代の曲目で構成されているので、1969年に月に着陸したアメリカでのアポロ計画にちなんで
(cf. https://www.facebook.com/b4takashi/posts/1301224083283552)
2. 「地球さえ狭い、宇宙へ飛び出す楽団だ!」と期待を込めて。
3. アメリカ国旗のモチーフを第4回に使ってしまったのでネタが尽きた。
4. トランプ大統領が当選してヤケクソで。
5. 新世紀エヴァンゲリオン(NHKプレミアムで再放送中)のエンディングが「Fly Me To The Moon」だから。
Facebookに以前私はこんな書き込みをしていました。この5つ全てが理由なのですが、4つめが大きいです。すなわち、ドナルド・トランプ現アメリカ大統領の他国を省みないアメリカ中心主義、ひいては世界中に蔓延するナショナリズムの旋風に、多少なりとも私は抗いたい、チラシのデザインもアメリカという国を全面に打ち出すのは止めておきたい、と考えたのです。
しかし、今回の演奏会はアメリカ特集というのが肝心であり、それはちゃんとアピールしたい。であるからアメリカに大いに関連しつつ、さりとてアメリカという国をそれほど全面に出さないようなデザインとするように心掛けました。
先述しましたが、今回の演奏曲目は、第2次世界大戦末期から1970年代という間に作られています。その頃に世界で何が合ったか。広島と長崎に原爆が落とされ、朝鮮半島やドイツやベトナムは冷戦の影響で同一民族で国が分断され、ベトナム戦争が泥沼化し、あわや核戦争寸前となったキューバ危機…と、世界大戦が終わったにも関わらずなんとも暗い時代が続きます。
そんな中で明るい話題と言えば、アポロ計画での月面着陸と宇宙開発でしょう。冷戦下でのソ連とアメリカの科学技術競争という切っ掛けではありますが、アポロ11号の月面着陸はアメリカ国民のみならず世界中が固唾を呑んで見守り、科学技術の発展に思いを馳せ、宇宙雨の広さに心躍らせた出来事です。
また、アポロ計画での記録写真はその多くがflickrで公式にパブリックドメインにて公開されているのです。そのいずれも高画質で、チラシのデザインに使うのにはもってこいです。
かくして、チラシのデザインはアポロ11号の探査船と月面になりました。当初は全くアメリカ国旗がない写真を使おうとしていたのですが、さすがにアメリカ的なアピールが足りないと思い、月面に着陸し星条旗が月面に突き立てられた写真としました。
Hynemos Wind Orchestra 第9回定期演奏会
- 日時
- 2017年4月23日(日) 開場13:30 開演14:00
13:40よりロビーコンサート開催予定- 会場
- ルネこだいら 大ホール
- 入場料
- 無料・全席自由
- 入場には入場整理券が必要です。当日12:30より受付にて配布いたします。
- 指揮
- 岡田渉
- 曲目
- ロビーコンサート : ヴァーツラフ・ネリベル / コラールと舞曲 [クラリネット・アンサンブル]
- アルフレッド・リード / 音楽祭のプレリュード
- ヴィンセント・パーシケッティ / コラールプレリュード「汝ふりむくなかれ」作品105
- ロバート・ラッセル・ベネット / 古いアメリカ舞曲による組曲
- サミュエル・バーバー / コマンド・マーチ
- ハワード・ハンソン / ディエス・ナタリス
- ロバート・ジェイガー / 吹奏楽のための交響曲第1番
- アンコール : ジョン・フィリップ・スーザ / ホワイトハウスの庭での復活祭の月曜日
- アンコール : ジョン・フィリップ・スーザ / 行進曲「雷神」
- 主催
- Hynemos Wind Orchestra
- 後援
- 小平市、小平市教育委員会
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