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Hynemos Wind Orchestra 第8回定期演奏会 終わりました

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4月17日に、私の所属するHynemos Wind Orchestra第8回定期演奏会が無事終わりました。

広報チーフは今回から別の方に変わってもらったのですが、チラシ・パンフレット・入場整理券などのデザインに係る作業は私が引き続き行っておりました。

前7回もチラシデザインについて解説しましたし、今回も裏話を疲労、いや披露しましょう。

今回の演奏会のテーマは「ロシアな吹奏楽」。ロシアで吹奏楽というと、チャイコフスキーの大序曲「1812」とか、ショスタコーヴィチの交響曲第5番第4楽章などが真っ先に浮かびそうですが、そこはヒネモス流。チャイコはアンコール含めて演奏しませんし、ショスタコーヴィチはちょっと前まで「ジャズ組曲第2番」と間違えて伝わっていた「ステージオーケストラのための組曲」など。ロシアをテーマにしているとはいえ、アメリカ生まれのリードの作品もあります。

そもそも作曲家の年代を比較すると、ロシアというよりは「ソ連の吹奏楽」と言っても過言ではないのでは!?と。ソヴィエト連邦の政治思想がどれだけ曲に反映しているか、というのは曲の捉え方に寄って左右するでしょうが…。

ロシアからソヴィエトへの変遷ということを念頭に置くと、クレムリン赤の広場は帝政ロシアの時期のものであり、デザインのメインに据えるのに相応しいのか?という疑問が出てきます。どちらもソ連の時期も含め政治の中心ではありましたけど、それにしてもちょっと安直すぎるのでは、と。

Shukhov Tower Shukhov Tower

いろいろ考えた結果、19世紀末から1930年代までロシア・ソ連で活発だった芸術運動、ロシア・アヴァンギャルドを取り入れたいと考えました。ロシア・アヴァンギャルドのデザイン手法をすぐに盗むのは難しいですが、建築分野でのロシア・アヴァンギャルドの代表作、シューホフタワー(英語版Wikipedia)はシンボリック、かつチラシやポスターにどう引用しても目を引く、秀逸なデザインだと考えました。

CCライセンスで使用できる写真もいくつかありましたが、写真そのままよりも、何となく薄汚れた黄色をテーマカラーとして作ったほうがソ連っぽくなるのでは?と思い、黄土色地に新たに線を引いてシューホフタワーっぽく作成、このデザインでチラシ・ポスター・入場整理券を作成しました。

ソヴィエトっぽい雰囲気をさらに強調するべく、使用フォントにも気を使いました。英語・露語は、一目見た時から気に入っていたRed Octoberで、それに親和するような日本語フォントとしてマキナスを使用しました。非商用でここまで使い勝手の良いフォントがあるなんて素敵すぎます。シューホフタワーが幾何学的な形状で、これらフォントのカクカクした雰囲気に非常にマッチしていると自負しております。

「日本語・英語に加えキリル文字で表記する必要があるのか」という疑問がでてきそうですが、私のデザイン方針として、作曲家の母語を使うという(勝手な)方針があり、それに従ったまでです。ドイツ・オーストリア特集だったヒネモス第6回定期はもちろんドイツ語で曲名を表記しています。ただ、ロシア語は馴染みがなさすぎてGoogle翻訳を多用していたので、翻訳ミスは残っていたかもしれませんが、そこは労力の限界ということでご容赦いただきたく。

チラシやポスターや入場整理券と違い、パンフレットは既に開場まで足を運んでくださっていることから表紙の読みやすさ・わかりやすさは二の次で良い!と考え、パンフレット表紙はロシア語表記を全面に押し出すことにしました。全ページがモノクロなのは予算の都合なのですが、背景の加工写真とあいまって雰囲気が出たのではないかと。あ、ちゃんと2ページ目以降は日本語主体、読みやすく游明朝体になっています。

Hynemos Wind Orchestra 第8回定期演奏会 パンフレット表表紙・裏表紙

Hynemos Wind Orchestra 第8回定期演奏会 パンフレット表表紙・裏表紙

パンフレットといえば、今回は広報チーフたーじー(@taazy_)さんがいろんなところから広告を取り付けてくれました。具体的には以下の4つ:

これら広告主様のおかげで、多少なりとも団員の負担が減りました。私としてはデザイン上の制約が増えて大変でしたが、まあいい勉強になりました。

まあこんな感じで、広報としては前日までになんとか収まったのですよね。

Hynemos Wind Orchestra 第8回定期演奏会

Hynemos Wind Orchestra 第8回定期演奏会 チラシ第2版

Hynemos Wind Orchestra 第8回定期演奏会 チラシ第2版

日時
2016年4月17日(日) 13:30開場 14:00開演
会場
ルネこだいら 大ホール
入場料
無料・全席自由

入場には入場整理券が必要です。当日入場整理券は12:30より受付にて配布します。

曲目
ロビーコンサート : ジャン=バティスト・サンジュレー / 演奏会のアレグロ (サクソフォン4重奏)
セミオン・チェルネツキー / 親衛迫撃砲兵行進曲
ドミートリイ・ショスタコーヴィチ | ヨハン・デ=メイ編曲 / ステージオーケストラのための組曲(旧称:ジャズ組曲第2番)
アルフレッド・リード / ロシアのクリスマス音楽
ニコライ・リムスキー=コルサコフ | デジレ・ドンデイヌ編曲 / クラリネットと吹奏楽のための協奏曲(コンツェルトシュトゥック) 変ホ長調*
レインゴリト・グリエール / 吹奏楽のための行進曲 作品76
ニコライ・ミャスコフスキー / 交響曲第19番 変ホ長調 作品46
アンコール : ヨハン・シュトラウス2世 | 山本訓久編曲 / フランス風ポルカ「パヴロフスクの森にて(クラップフェンの森で)」作品336
アンコール : ジョン・フィリップ・スーザ / 行進曲「雷神
指揮、クラリネット独奏*
岡田渉
主催
Hynemos Wind Orchestra (ヒネモス・ウインド・オーケストラ)
後援
小平市、小平市教育委員会

対して演奏面では。プログラム上の6曲のうち、ショスタコーヴィチとリムスキー=コルサコフを除く4曲でコントラファゴットを担当してました。3分の2でコンファゴ、というのはさすがの私でも割合が高いように思います。運指練習は楽でしたけど、低音をきちんと出す肺活量と、楽器を支える腕力が必要でした。吹奏楽曲って管弦楽曲と違って、コンファゴに休符が少ないんですよね…マーチ2曲はチューバ譜、リードはコントラバスの影譜を追加で演奏するために出番が多くなったこともありますが。

ただ、演奏面における一番の問題は、本番前日にボーカルを曲げてしまったことでしょうか。

原因は、練習で適切な高さの椅子がなく、無理して楽器を構えたため、バランスを失ってしまい――。ボーカルはもう1つ、材質違いのものがあったのでそれで本番を迎えましたが、どちらかというと私の心が危うかったです。

まあ楽器が凹もうが心が凹もうが、本番の時間は来てしまうわけで。ロビーコンサートで録画していたビデオを本番前に客席に設置している間に開演時間となってしまい、最初のチェルネツキーは音出しはおろかチューニングせずに演奏となってしまいました。ま、多分なんとかなってたでしょ。ショスタコーヴィチは今回の演奏会で唯一ファゴット1stだったのですが、そんなに目立つ箇所もなくそこそこ気楽に吹けました。途中指揮者が長ーい「タメ」をしている時の悪〜い顔、リラックス効果がありました(当事者のサキソフォンは大変だったでしょうが笑)。リードはあれです、本番が一番うまかったというか、本番になってみんな音出しすぎ!いやリードだからそれで良いんだろうけど!

第2部の最初はリムスキー=コルサコフのクラリネット協奏曲。監督が指揮者兼ソリストとして演奏するのも素晴らしかったのですが、これ実はファゴット2ndも演奏していて楽しい、という吹奏楽らしからぬオーケストレーションなのです。勿論1stだってソロがあって楽しいですけれども。グリエールは演奏自体は上手く行っていたはずですが、終わり方に唐突感があり、お客様の拍手がちょっと遅れていましたね。

吹奏楽の交響曲としては第6回定期のヒンデミット以来、ミャスコフスキーの交響曲第19番は、4楽章構成、曲想も明快で、演奏する側としては演奏しやすかったです。第1楽章のモチーフが、巡り巡って第4楽章の最後で再登場してフィナーレを迎える、という締め括りは交響曲ならではではないでしょうか。

アンコール曲1つ目「パヴロフスクの森にて」は鳥笛での鳥の声とともに演奏するのですが、曲の終わりで鳥の大合唱、というところでは私も鳥の鳴き声で演奏させてもらいました。実は一番楽しかったかも。

本番当日は春の嵐か、列車が運休するほどの強風に見舞われてしまいましたが(交響楽団「ワルプルギスの夜」の挟み込みが魔女「ワルプルギスの夜」を呼んでしまったのではないか、と自分の中でもっぱらの噂)、それでも383名のお客様に足を運んできてくださったことは、ポップスも課題曲もやらない吹奏楽団としては健闘したほうでしょうか。私としてはやっぱりミャスコフスキー含めロシア吹奏楽をもっと多くの人に聴いて欲しかったところではありますが。

広報の観点から反省点を挙げるとすると、今年のエイプリル・フールのネタがキレに欠けたことでしょうか。周囲のウケは良かったのですが、あまり拡散していなかったので。

本番のリハーサルと開演までの時間をビデオカメラのセッティングに奔走して、結局余裕がなかったのも反省点。次回はもうちょっとゆとりある演奏にしたいです。

楽団としては、これまでもっとも纏まった演奏になったのではないかと思います。…と偉そうにいったものの、4月に入るまで曲の仕上げが思うようにいかず、私含め多くの団員が気をもんでいた状態からの急激な追い上げでここまで来たのです。つまりもっともっと上手く演奏できる余地はあったのかもしれません。「上手い演奏」は出来たとして、「凄く上手い演奏」にステップアップする段階に来ているのかもしれません。

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