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劇場に最後に響くのは、観客の拍手である

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劇場に最後に響くのは、観客の拍手である」という格言があります。あります、というか、自分が作りました。

「終わり良ければ全て良し」という格言に基づけば、公演の終わりに劇場に鳴り響く拍手が割れんばかりならば――その公演でのパフォーマンスがどのような内容であったとしても――その公演が成功である、と言えます。

私はオーケストラや吹奏楽団に所属しているため、自分が指す「公演」というのはクラシック音楽のコンサートであることが多いです。しかし、公演が終わった時に観客から拍手をもらうというのは、ポップス公演やアイドルのライブ、演劇にコントに歌舞伎など、ほぼ全てのパフォーマンスに当てはまると思います。

「拍手が起これば、内容はどうでもよい」なんて、ちょっと大袈裟かもしれません。でも私はそんなに間違っているとも思えないのです。拍手が多ければ多いほどよい公演である、拍手のためにパフォーマンスの練習をしているのだ、と。

では、拍手をより多くするためには?方法の一つは、パフォーマンスの質を高めることです。より正確で、より美しい演奏を行えるように鍛錬を重ねることです。個々の曲の質を高めるだけでなく、公演で行う曲目につながりを持たせて演奏会でのテーマを持たせるとか、楽曲の演奏だけれども視覚的にも楽しませるために衣装や舞台設計を工夫するなど、演出を総合的に高める方法はいろいろあると思います。

ここで一つ私が注意したいのは「お客様が満足できればそれでいい」、というわけではないこと。「ポップスの演奏も聞いてみたい」という要望に答えて、オーケストラでAKB48の曲を演奏したら…お客様は喜ぶかもしれません。しかし、それを奏者側は楽しめるか?奏者が楽しくなくて、パフォーマンスの質の高さを維持できるか?

観客も、パフォーマーも、どちらも楽しめて、なおかつクオリティが高い公演を行うことができれば、パフォーマンスは最高になるでしょう。

拍手をより多くするもう一つの方法は、観客をより多くすることです。会場に超満員のお客様がいれば、そりゃあ拍手の音量だって大きくなります。そしてそんなお客様を目の前にすれば、奏者だってテンションが上ります、いい演奏になります、観客の感動も一入、拍手もより大きくなり、結果として拍手はより大きくなるでしょう。

逆に、どんなにパフォーマンスの質が高いものであっても、観客の数が少なければそれだけ拍手が少なくなります。観客が少ないということは、観客自身の高揚感が削がれることになってしまい、拍手をしようとする意欲が減退しかねないことになります。

観客をより多く動員するために、チケットを手渡ししたり他の演奏会のパンフレットに挟んでもらったりサイトを更新したりPR動画を作ったりと、様々な方面での広報活動というものが必要となるでしょう。露出を高めて、公演に興味を持ってもらう――手法の差異はあれど、集客効果を高めるというのが広報の役割です。

こうして書いてみると、「拍手のために公演」と言っても、結局は練習して上手くなったり、宣伝してお客を多く入れたりと、それほど珍妙なことは言っていないと思います。どれも疎かにしてはいけない、大事なことでしょう。

ただ、「どうしてこんな選曲になったのか」「こんなパフォーマンスは必要なのだろうか」とふと疑問に思ったら――特に趣味で活動をしているアマチュアの活動の場合、その活動の意義を「自分たちが楽しければいい」などに置いてしまうと、そのお題目が崩れることがあるかもしれません。そんな時、最初に書いた『最後に聞こえるのは観客の拍手なのだから』というところに立ち返ってみるといいかもしれません。


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