「シベ7オケ」オーケストラ・アフェットゥオーソ、主催者不在により8/17の演奏会中止に

ジャン・シベリウスの交響曲第7番の演奏を目指し、8月17日に神奈川県立音楽堂での演奏会を予定していた「オーケストラ・アフェットゥオーソ (Orchestra Affettuoso)」ですが、主催者の不在により演奏会を中止する、という事態に至りました。

公式サイトは消えてしまっているのですが(後述)、オケ専やFacebookのページなどは現在も残されており、どのような演奏会を行う予定だったかが分かります。

Orchestra Affettuoso / Jean Sibelius 7
Orchestra Affettuoso / Jean Sibelius 7

オーケストラ・アフェットゥオーソ 設立記念特別演奏会
(オーケストラ・アフェットゥオーソ)

  • 2014/08/17(日) 14:00開演 (13:30開場)
  • 〔演奏曲目〕
    • J.シベリウス 音詩《フィンランディア》 作品26
    • J.シベリウス 音詩《夜の騎行と日の出》 作品55
    • J.シベリウス ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
    • J.シベリウス 交響曲 第7番 作品105
  • 指揮:木許 裕介
  • 独奏:白小路 紗季
  • 会場:神奈川県立音楽堂(神奈川県横浜市)
  • 入場料:入場無料
  • 連絡先:orchestra.affettuoso@gmail.com
  • URL:http://www.orchestra-affettuoso.com/
Orchestra Affettuoso 団体ロゴ
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オーケストラ・アフェットゥオーソの基本情報

主な活動拠点:東京都 江東区

オーケストラ・アフェットゥオーソは、世の中に溢れている「演奏機会に恵まれない傑作」を中心に取り上げ、それらをコンサートという場で紹介することを目標に設立されたアマチュア・オーケストラです。
楽団名の「アフェットゥオーソ」(『愛情を込めて』の意)は、シベリウスが自身の作品中で何度も用い、さらには全交響曲の集大成である《第7番》の最後にも用いた発想標語です。この語が示すように、「作品への愛・音楽への愛」を体現できるようなオーケストラへの成長を目指しています。

2014年8月17日(日)、“設立記念特別演奏会”と称し、シベリウスの最高傑作《交響曲第7番》をメインに据えたオール・シベリウス・プログラムでの演奏会を行います。

なおこの記事のタイトルに「シベ7オケ」と書いてしまったので、シベリウス交響曲第7番をやるためだけの一発オケというニュアンスになってしまいますが、「設立記念特別演奏会」という演奏会名からも、第2回以降の演奏会も模索していた様子が伺えます。

活動は去年の6月頃から行っており(Facebookによれば2013年6月6日設立)、7月には奏者のチラシを公開しています。

この時点で、コントラファゴット以外の管楽器の募集は停止しているのに対し、弦楽器はヴァイオリンが16-20名募集と全く人が集まっていない状態のようでした。

Facebookのページはその後も何度か更新され、1月21日には募集状況が更新されています。

オーボエとトランペットが再募集されている他はあまり変わらず。この時点でもヴァイオリンが16名募集と、人集めが全くうまく行っていないようでした。

その後の対外活動はあまり見えてこなくなりました。Facebookの投稿は2月3日を最後に更新されず、Twitterはしばらくbotによる自動投稿だけが並ぶ状態でした。

外部から見ても明確な異変が起きたのは2014年7月。サーバーを契約更新しなかったためか、公式サイト(http://www.orchestra-affettuoso.com)が繋がらなくなりました。

それでも1ヶ月前はWIXのページに転送され「ドメイン管理者は連絡してね!」という案内が出たのですが、今はそれも表示されない状態ですね。

その頃には主催者と出演者の連絡がとれる状態ではなかったようで、出演者の一人がTwitterにこんな投稿をしています。

その数週間前から「運営がうまく行っていない」という話は聞いていましたが、どうも7月9日の時点で本格的に演奏会の中止を検討していたようです。

Twitterの公式アカウントから、冒頭のアナウンスがされたのが今日、8月12日。最後の最後までゴタゴタして告知が結構遅れてしまったようです。


私がb4logでアフェットゥオーソの中止を取り上げた理由は2つ。公式サイトが消滅した今、少しでも告知して演奏会中止を多くの人に知ってもらうこと。そして、一般的なアマチュア楽団の運営について、今一度考え直したいと思ったためです。

楽団を運営するメンバーが少人数であれば、意思決定やメンバー間の連絡は迅速に行える、というメリットがあります。楽団に求めるスタンス(特定の作曲家のみ演奏するのか、より多くの観客を取り込むためにポップス曲も交えたりするのか、入場料金をとるのか、などなど)も固めやすいでしょう。しかし、一度その運営メンバーが行方をくらませたりしたら?運営面で怠惰になるだけでなく、仕事の事情により運営ができなくなったり、事故に遭ったりと、様々な要因により楽団運営からドロップアウトする可能性はあります。

特に一発オケでなく、長期に安定した運営を続けることを前提とするならば、運営メンバーはより多くの人に分担するべきでしょう。広報、練習会場、譜面、会計、練習計画、演奏会進行…など、役割毎にメンバーを割り振り、それらの仕事状況を統括する人を代表としてトップに据えれば、仮にどれかの役割が立ちゆかなくなっても、代表を中心として役割の再振り分けなどが出来るでしょう。

「この曲をやりたい!」という情熱を持つのは素晴らしいですが、その情熱を演奏会に結実させるのが大変なトコロ。アフェットゥオーソの演奏会が中止になってしまったのは残念ですが(そして会計の後処理などが激しく面倒になりそうですが…)、他の楽団で今後こういった事態が起こらないように、悪い見本として参考にしていきたいです。

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