紆余曲折を経た東工大次期学長選考、工学部長の岡崎健教授に

現在の東京工業大学の学長である伊賀健一氏の後任として、現在工学部の学部長である岡崎健教授に決定したそうです。

学長候補者の決定について

2011.10.04

国立大学法人東京工業大学では、学長選考会議における選考の結果、岡崎 健(東京工業大学大学院理工学研究科工学系長・工学部長、教授)を学長候補者に決定しましたのでお知らせいたします。

任期は、平成23年10年24日から平成27年10年23日までの4年です。

2011年10月からの学長として、当初は副学長である大倉一郎氏が6月30日に内定していました。

東工大、学長に大倉氏

掲載日 2011年06月30日

東京工業大学は伊賀健一学長の任期満了に伴い、後任の学長に大倉一郎理事・副学長(66)の就任を決めた。30日にも発表する。任期は10月24日から4年間。開設から20年強と比較的新しい生命理工学部出身の学長は前学長の相澤益男総合科学技術会議議員に次いで2人目となる。

27日に教授らによる学内意向聴取の選挙を実施。これを受けて学長選考会議は28日、選挙で1位だった大倉理事を候補者に決めた。文部科学省の承認を得て正式決定する。

しかし7月28日に突然学長就任を辞退、翌日の朝日新聞の報道で、出入り業者に研究費を預けるという不正経理をしていたことが原因であると報じられました。

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教授ら330人、不正経理の疑い 業者に預け金7億円超

関東を中心とした計約60大学・短大の教授ら約330人が、出入り業者に研究費を預ける不正経理をしていた疑いがあることが、朝日新聞が入手した業者の内部資料でわかった。研究費には国などの公金も含まれるが、預け金の総額は7億円を超える。5年前から減少傾向にあるが、現在も200人以上が計約2億円を預けたままになっている。

朝日新聞の取材を受け、東京工業大など一部の大学は調査委員会を立ち上げた。資料に名があった東工大の副学長は28日、10月の予定だった次期学長就任を辞退した。

朝日新聞が入手したのは、精密機器や実験器具を大学に納入している東京都内の精密機器卸会社が、各教員との取引を記した「預かり金明細書」など。教員側からある時期に一定金額が入金、プールされ、その後、機材購入や設備修理にあてられた取引が記載されていた。入金の際は、同社が作った架空請求書が大学側に提出されたという。

研究費を使った物品購入は、原則として取引ごとに大学への申請などの手続きが必要。預け行為は使途をチェックできず、私的流用や目的外使用の温床になりやすいことから、大半の大学が内規で禁じている。

この度決定した岡崎健教授は1949年生、1978年に東京工業大学大学院理工学研究科機械物理学専攻の博士課程を終了した後、豊橋技術科学大学や米国シンシナチ大学で教鞭を執り、1992年に東工大の炭素循環素材研究センターで教授に着任、2007年から大学院理工学研究科工学系長・工学部長を2期歴任、また2009年に設置された環境エネルギー機構の機構長を務めています。

不祥事によって再選考となってしまいましたが、環境保全やエネルギー学一般が専門で、環境エネルギー機構の機構長でもある岡崎教授が選ばれたことは、日本の、いや世界のエネルギーの転換期に突入した現在の情勢にマッチしたものかもしれません。130周年を迎えた東工大を今後もより活躍させるべく、新学長には頑張って欲しいです。

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