知り合いから金曜日のチケットを貰ったので、今日は日本フィルの東京定期を聴いてきました。
日本フィルハーモニー交響楽団 第625回定期演奏会
- 日時
- 2010年 11月 12日(金) 午後7時開演・13日(土) 午後2時開演
- 指揮
- 高関健
- 曲目
- アントン・ブルックナー / 交響曲第8番 (ハース版第2稿)
- 会場
- サントリーホール 大ホール
曲目は以前自分も演奏した事があるブル8、でもノヴァーク版ではなく、今回はハース版でした。
交響曲8番は本人の稿(第1稿・第2稿)と、それに手を加えた人の違い(シャルク版=改竄版、ハース版、ノヴァーク版)とあるのでかなりややこしいのですが、今回は第2稿をハースが改訂したものです。ノヴァーク版では「作曲家の意図通り、削った譜面は削ったままにすべきだ」という観点からハース版で採用された部分も削除されているのですが、高関氏の判断では「弟子に言われて仕方なく削った部分で、音楽的にはある方が自然だ」とハース版を使ったとの事です。
今日始めてハース版を耳にしたのですが、なるほど確かに曲のつながりがハース版は自然なような気もします。曲想と曲想の間に木管のメロディーがハマる感じですね。あと冒頭のクラリネットのメロディがファゴットなのもビックリしました。
演奏自体はかなり緻密に練り上げられていたようで、第4楽章フィナーレでの高揚感はグッと来るものがありました。ただ、第3楽章で最高潮に達した後、ホルンとワグナーチューバのコラールに入る直前での静寂のまさにその瞬間、自分の隣りの席に座っていた客のケータイが鳴り出して雰囲気がぶち壊しに。その時の指揮者のこちらを睨め付ける顔が恐かったです。いや、うん、電源は切っておきましょうよオッサン…orz。
曲の後で注意しなかった自分もあまり言えた口じゃないですが、それさえ無ければ完璧な演奏会だったのになあ・・・。
最後のリンクの動画でも少し触れられていますが、2010年の11月から12月にかけて、4つの在京オーケストラがブルックナー交響曲第8番を演奏するそうです。これだけの大曲を立て続けにプロオケが演奏する機会はそうないでしょうから、版による違いや指揮者・オーケストラによる違いを感じてみるのも面白いかもしれませんね。
- 日本フィルハーモニー交響楽団
- 日時:2010年11月12日(金)・13日(土)
- 会場:サントリーホール 大ホール
- 指揮:高関健
- 版:ハース版 第2稿
- 東京フィルハーモニー交響楽団
- 日時:2010年11月19日(金)・21日(日)
- 会場:サントリーホール 大ホール(19日)・Bunkamura オーチャードホール(21日)
- 指揮:チョン・ミョンフン
- 版:ノヴァーク版
- 東京交響楽団
- 日時:2010年11月27日(土)
- 会場:サントリーホール 大ホール
- 指揮:ユベール・スダーン
- 版:ノヴァーク版 第2稿
- 読売日本交響楽団
- 日時:2010年12月13日(月)
- 会場:サントリーホール 大ホール
- 指揮:尾高忠明
- 版:ハース版 第2稿