坂本弁護士一家の没後20年の今年、ご家族3人を追悼する演奏会が池袋の自由学園明日館で行われたので、鑑賞してきました。
坂本弁護士一家没後20年
志なかばに・・・語れぬ思いを音楽に託すコンサート
- 日時
- 2009年12月16日 開場18:00 開演18:45
- 会場
- 自由学園明日館 講堂(池袋駅徒歩5分)
- 曲目
- 川崎絵都夫
- 愛と哀しみのソナタ
- 微笑む三つの薔薇によせて
- ドヴォルザーク / ユーモレスク
- シューベルト / アベマリア
- マスネ / タイスの瞑想曲
- ドップラー / ハンガリア田園幻想曲
- 貴志康一
- 竹取物語
- 水夫の唄
- 龍
- イベール / 二つの間奏曲
- アンコール : 川崎絵都夫 / 微笑む三つの薔薇によせて
- 演奏
- 松本克己 (ヴァイオリン)
- 真鍋恵子 (フルート)
- 依田正史 (ピアノ)
- 主催
- 坂本弁護士一家没後20年語れぬ思いを音楽に託すコンサート実行委員会
日本フィルのヴァイオリン奏者である松本克己さんは生前の坂本堤さんとお知り合いだったそうで、一家が失踪された1989年から救出のために、遺体が発見された1995年からは慰霊のために、毎年各地で追悼コンサートを行っているそうです。
この日の演奏会の冒頭で披露された川崎絵都夫さんの2曲は、坂本弁護士一家の追悼曲として、松本さんと今野強さんから移植された、ヴァイオリン・フルートとピアノのための曲(坂本堤さんはヴァイオリンを、坂本都子さんはフルートの経験があるそうです)。
今日の演奏会には、委嘱2曲を含んだ楽譜が、パンフレットとともに渡されたので、譜面を追いながら聴くことが出来ました。譜面が立派で分厚いので、どちらが本体か分からないぐらい。「愛と哀しみのソナタ」は、I. 祈り・II. 怒り〜悲歌・III. 鎮魂・IV. 伝言 の4部に分かれていて、坂本弁護士一家への憤りや悲しみなどの様々な感情が入り交じったような曲風。「微笑む三つの薔薇によせて」はうってかわって躍動感溢れる曲でした。
オウム真理教によって起こされた坂本弁護士一家殺害事件を風化させないためにも、またこのような犠牲が再び出ないよう、こういった活動が続いていくとよいですね。
でも、純粋に音楽の楽しみを味わえないこういった演奏会に参加するのはちょっと辛い・・・。
ちなみに、今回の演奏会が行われた「自由学園明日館」は、現在は幼児生活団(幼稚園)から最高学部(大学学部相当)まで擁する自由学園が1921年に創立した際の校舎として建設され、自由学園が東久留米市に移転した後は卒業生の事業活動ん土に利用されている建物だそうです。
1999年に大規模な修繕を行ったこともあって、外見も内装も綺麗な建物でした。演奏会が行われた講堂は音響や見た目の雰囲気も良かったです。ただ椅子が座っていると痛かったなあ・・・。池袋駅から明日館までの道程もわかりにくかったのもなければ、良いホールだと思うのだけれど。