工学修士のシューカツはいつから?

国立8大学の工学部長が、大学院生の就職活動の早期化が教育・研究に悪影響を及ぼしているとして、日本経団連に声明文を提出したそうです。

声明によると、大学院修士課程の学生は1年目の夏ごろから就職活動が始まり、最長で翌年の5月ごろまで続くという。就職活動の開始時期について、早くても修士課程2年目の4月以降とすることを求めている。

記者会見した大嶌幸一郎・京都大工学部長は「学生は必要な知識と研究経験を身につけないまま社会に出ることになる。学生、大学、企業の3者にとって何のメリットもない」と訴えた。

でも「8大学」ってどこだろう、ニュースを各社見たけれど、具体的に名前を挙げているところは無かったし・・・と検索したら、東大広報室のブログに詳しく載っていました。

[いろいろ]国立大学法人8大学工学部長会議声明・記者会見

ものものしいタイトルですが、実際ものものしい記者会見でした。本日、14時から工学部の列品館大会議室で開催された記者会見。9月10日に早期の採用活動やめて 東大大学院教授らが要望という記者会見もしました。こちらも工学部が会場になりましたが、化学生命工学科の西郷教授が発起人で「化学系は就職活動の開始が早いので、いち早く手を打たないと」という趣旨で声明を出したので「化学・薬学・工学系」に限ったものでした。こちらも多くのメディアで取り上げて頂いてありがたい限り。

今回は「国立大学法人8大学工学部長会議」*1としての声明。今回、発表者として参加したのは、写真左から東北大学大学院工学研究科長 内田龍男先生、東京大学大学院工学系研究科長 保立和夫先生、東京工業大学大学院理工学研究科工学系長 岡崎健先生、京都大学大学院工学研究科長 大嶌幸一郎先生、大阪大学大学院基礎工学研究科長 戸部義人先生。「我らのお笑い系工学部長」保立教授も真剣な面持ちです。

趣旨は、基本的には上記の西郷教授が発起人となった前回の記者会見の内容と一緒です。工学系は企業に行く人が多いので、就職活動をする学生が多い。今はM1の夏頃から就職活動が始まり、中には半年以上長期化する人もいる。それでは大学側は「大学院で教育を受けるべき大事な時期を失っている」「学生が博士課程に進学するか就職するか判断すべき時間の余裕がない」として、今回の記者会見をしたという次第です。さらに、今回は記者会見のあとに、京大、東工大、東大の工学部長が揃って経団連に赴き、会長にその旨の「申請書」を提出しにいきました。すごい。

  • ˆ1:50年以上の歴史があるそうな。会議の構成員は北海道大・東北大・東京大・東京工業大・名古屋大・京都大・大阪大・九州大の工学系の研究科。トータルで24の専攻・学科になります。

北大・東北大・東大・東工大・名大・京大・阪大・九大の8大学の工学系研究科なんですね。

研究室の修士1年の先輩も「就職活動まだ始めないの」「10月しょっぱなから始めると最後まで内定貰えないジンクスが」(そんなのあるか分かりませんが)と話題にしていますが、確かに就活をやっていると研究を進めている暇なんて無いかもしれませんね。

とりあえず大学院修士1年の間は研究を進めて道筋を建ててから、就職先を考えた方が良いかもしれませんね。そのほうが、研究の成果をアピールできそうだし、その研究の内容で志望する企業も変わってきそうだし。

/.に記事ができており、また8大学工学部長会議の声明の詳しい内容が東工大ウェブサイトに載っていました。

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