ネットのニュースで、センター試験の地理にムーミンがでてきて大騒ぎのようです。
いつもの私であればネットを検索しまくって情報を掻き集めるところですが、今回は予備知識を入れずに、その問題を解いてみようと思います。
ムーミンが出たのは大学入試センター試験 1日目の地理B、第5問の問4です。
なお私がセンター試験に挑んだのは2005年、13年前です。しかも高校では地理科目を履修していなかったため、学校で地理を学んだのは中学校ということになります。それぐらいの予備知識の無さです。
問題文は東進ハイスクールのセンター試験速報のページから引用しました。
スウェーデンを舞台としたアニメーションとスウェーデン語が最初に例示されて、ノルウェーを舞台とした作品とノルウェー語を判別する試験である。さあ困った、どちらかがフィンランド、どちらかがノルウェーらしいが、作品の背景、言語もさっぱりである。
アニメーションのうちムーミンは取り敢えず置いておこう。選択肢チ「小さなバイキングビッケ」というのは、よく分からないがビッケという名前のバイキングのお話であろう。絵の後ろには帆船も描かれているし、海を股にかけたあのバイキングということだろう。ところで、バイキングはどこの国の海賊だったか…思い出せない。
ところで、北欧三国のうち、フィンランドはロシアに接しているはずだ、冬戦争とかやってたし、カレリア割譲とかあったし。そうするとあのでっかい半島(名前忘れた)の片方がスウェーデン、片方がノルウェーのはずだ、この2国は同君連合とかになっているから隣同士の国で間違いないだろう。
そうすると北海により近いのはノルウェーだろう。フィヨルドの地形は入り江に船を隠すのにも都合が好さそうで、海賊にはうってつけの場所だ。半島から北海へ繰り出し、ヨーロッパ諸国を脅かすのには、フィンランドよりノルウェーのほうが適しているはず。つまり「小さなバイキングビッケ」はノルウェーのアニメーションと推測でき、選択肢タ「ムーミン」がフィンランドのアニメーションと考えられる。
続いて言語の選択だ。ノルウェー語とフィンランド語、それぞれの言語で「いくらですか?」という意味の文章らしい。この文章だけ読んでもさっぱり分からない。ただ、それぞれ全く違う言語で、似通っていないことは分かる。
ここで一旦、スウェーデン語で同じ文章を見てみよう。「Vad kostar det?」(ヴァッ コスタ デッ)で「それいくら?」という意味らしい。この文字列をよく見ると、選択肢A「Hva koster det?」(ヴァ コステル デ)と、語数は同じだし文字数も同じ、最後の単語は発音こそ多少異なるが全く同じアルファベットだ。これはもしや、「Vad」=「Hva」、「kostar」=「koster」と対応しているのではないか。
さっきも思い出したように、北欧3国のうちスウェーデンとノルウェーは同じ半島に存在している。おそらく言語も非常に似ているのではないか。逆に、フィンランド語は地理的にロシア語やハンガリー語(フィンランドの「フィン」とハンガリーの「ハン」は同じ民族を指していたはずだ)の影響が強いだろう。つまり、他の2国と言語も違っていて不思議ではない。
これより、スウェーデン語に近い選択肢A「Hva koster det?」(ヴァ コステル デ)がノルウェー語、選択肢B「Paljonko se maksaa?」(パリヨンコ セ マクサー)がフィンランド語と判断できる。
設問はフィンランドに関するアニメーションと言語の組み合わせを答えよ、とあるので、それぞれタとBを選択した「2」がもっとも適しているはずだ。
こんな感じで、およそ3分ぐらいで回答をひねり出しました。
さて、答え合わせをしてみよう。
正答は「2」、ということで見事正解しました。やったね、ノー勉でも地理Bで3点貰えました。
今回私は、「ノルウェーとスウェーデンが同じ国だった」(今調べたら1814年から1905年に存在したスウェーデンとノルウェーの連合王国
だそうです)、フィンランドとロシアはカレリア地方で接している、ヴァイキングがスカンディナヴィア、バルト海沿岸地域
にいる、ということから推測して、地理の専門知識を事前に持たなくても問題を解くことが出来ました。
地理を学んだ人であれば、スカンディナヴィアに位置する国の性格な位置から解けるのでしょうか。ただ、ヴァイキングがノルウェーというのは、世界史の範疇のような気がします。それにフィンランドのみ言語体系が異なるのは言語学でしょうか、地理的な要因が絡むので関係はするでしょうが。
ただ、ムーミンの舞台はフィンランドではなく、またヴァイキングもフィンランドに襲撃したこともあるらしいとか、いろいろ問題を残した問題であるようです。