忘れないうちに書いておきます。3月11日に地震が発生したとき、自分は鎌倉市にあるM電機K工場の工場見学会に参加していました。
工場見学会は14時から始まり、最初は会社の概要説明を映像と東工大OBの社員から軽く聞きました。その後は展示室と工場の現場を見学した後、社員さんとの質疑応答を行って17時頃に終了、その後は懇談会のはずでした。
展示室でM電機の製品を観覧していたところに地震が。最初の揺れは小さかったものの、徐々に大きくなっていった…と思った次の瞬間、建物全部の照明が切れてしまい尋常ではない事態に気づく。自動ドアを手動で押し開けて、建物の外に出る。揺れはさらに強まり、地面に立っていられないほどの揺れに。他の建物からも続々と社員が出てきて、部署ごとに固まって点呼をとっていました。会社見学に来ていた東工大の就活生も列を作って外で待機していました。
大きな余震がきた時に建物を見上げたら、6階建てぐらいのビルが肉眼でも揺れ動いているのが確認できました。その後も建物の安全が確認できるまで外で待機していました。コートは部屋の中に置いてきたので、寒空の下スーツでいるのは寒かったです。
2時間ほど経って、建物の安全が確認できたということで最初の部屋に戻り、荷物を取る。元の計画での見学会の時間が過ぎてしまった、というか見学する工場が稼動していないということで、もちろん工場見学会は中止ということに。社員の方が何度も「こんな時にごめんねー」と仰っていましたが、どう考えても非はありませんほんとうに誘導お疲れさまでした。
工場内の建物はおろか、街中も停電したまま、工場の最寄り駅へのモノレールも動いていないということで、徒歩で大船駅もしくは藤沢駅に行くことに。「工場併設の体育館に泊まることもできる」と案内されましたが、ここにいても仕方が無いということで見学に来ていた学生全員が駅に行くことに。
大船駅に行く自分を含めたグループが徒歩で大船駅へ、およそ30分かけて移動しました。他にも歩いて移動する人がたくさん、自動車も多かったです。交差点の信号も点灯していなかったのですが、お互い譲りあって、もしくは空気を読み合っており、出会い頭の事故などは目撃しませんでした。
大船駅では予想通り人がごった返していました。隣の駅などに移動する人には、JRが印刷した地図を配って徒歩で移動するように誘導していました。「今日中に再開するかどうかの見通しも立っておりません」というアナウンスを聞いて、見学会から一緒にいた他2名の学生と「レンタカーを借りて自力で運転したほうが早く着けるのではないか」という話になり、近くのレンタカー屋へ。しかし店舗に従業員がいたものの、営業していないということで自動車は貸してもらえず、再び大船駅へ。行き来する間にコンビニエンスストアが暗闇の中営業している箇所もありましたが、駅に戻る頃には閉店している店舗もありました。
大船駅東口周辺で近くにいた人に話を聞いたところ、東口のOh!Plazza側バスターミナルから横浜方面へでているバスがあるとの情報を得ました。トイレを借りるために駅に戻ったところ、切符を持っていない人もトイレを使用できるように自動改札機が解放されていました。改札内のTVモニターで津波がまさに進行しているVTRを目にして、鳥肌が立ちました。津波被害の映像は過去の災害映像でなんども見たことがあるはずですが、ここまで映像だけで恐怖を感じたのはこれが初めて。
バスターミナルに行ってみたのですが、すでに日もとっぷりくれて、どのバス停が何処行きなのかわからない状態、なんとか乗り場を探しましたが、横浜駅行・桜木町駅行・上大岡駅行がどの列だかわからない状態、というか混在している状態でした。取り敢えず列に並んでバスを待つこと20分ほど、[船20]桜木町駅行の神奈中バスがようやく来ました。2台続けて来たので、運良く座席に座ることが出来ました。
大船から桜木町行きバスに乗る
19時30分頃に乗客を満載してバスターミナルを出発したものの、道路は乗用車などが多く、信号が付いていないことも影響してかなり渋滞していました。
横浜市内の電力復旧か?
20時頃に、ふと道路沿いの家に目をやると電気が灯っていることを確認、明るい町並みを見て少し心に余裕が出てきました。
大船駅から上大岡駅まで通常なら30分もかからないらしいですが、この日は2時間以上もかかってようやく到着しました。半分ぐらいの乗客が入れ替わって、また乗客を満載して上大岡駅を出発しました。途中で気分が悪い乗客が出たのですが、バス車内では対応できないと運転手が判断し、救急車を呼ぶことに。救急車が来るまでの20分ほどバス停で停車していましたが、乗客に特に混乱は見られず、大人しく待っていました。というか自分はいちばん後ろの座席で身動きが取れなかっただけですが…。
救急車を見送った後、再びバスは桜木町駅を目指していたのですが、お三の宮バス停付近で「この辺りは普段でも渋滞していて先に進まないポイントだ」と聞き、バスを下車することにしました。横浜市営地下鉄の吉野町駅を覗くと運行を再開しているのが分かったので、ここから地下鉄で横浜まで行くことにしました。この時点で23時半を回っていました。
道路の混雑が酷いので、バスを降りて吉野町駅から横浜市営地下鉄に
東急東横線横浜駅も入場規制、神奈川県警察が出動してる。
横浜駅から上大岡・戸塚・湘南台へ向かう電車は、かなり混雑して吉野町駅を出発しましたが、自分が乗車した反対方向の電車は座席が空いてるぐらい空いていました。吉野町からたった10分で横浜に到着、電車の定時性を改めて実感しました。横浜駅では地下鉄改札口で入場規制が行われていました。東急東横線の入口も混乱防止のため、きた通路側からは入れないようになっており、中央自由通路で規制されました。駅員や警備員だけでなく、神奈川県警察の警官も出動して、構内はかなりピリピリした雰囲気でした。
東横線横浜駅のホームはそれほど混雑しておらず、というか車内も「座席に座れない」程度の混雑でした。日吉で連絡していた目黒線の電車はガラガラでした。
武蔵小杉で今まで一緒だった学生の一人と別れ、もう一人の学生とは大岡山のラーメン屋で遅い晩飯を食べてから別れました。
研究室に到着したのは日付も回った午前1時45分、他に3人の学生が「帰宅難民」として残っていました。大型テレビ画面が運び入れられていて、地震・津波被害の状況を映し出していました。
研究室なう,今日はここで世を明かします.
こんな感じで、B4たかしの3月11日は終わりました。会社見学だけで終わる予定が、こんな長旅になるとはね。
他にも書くべきことがあった気がしますが、取り敢えずこの辺で。