グリーグの「十字軍の王シーグル」を聞いてみた

親が隣の市の図書館からグリーグの「十字軍の王シグール」が入ったCDを見つけて借りて来てくれたので聞いてみました。というかよくこんなマイナーな曲のCDが市立図書館にあったなあ。そしてそれを見つけて来た親もなかなかすごい。

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アマゾンにも同じCDがありましたが、借りてきたCDのジャケットはAmazon.co.jpのそれとは異なり、日本語の解説が書いてあります。

すでにサン=サーンスの「第2」、リムスキー=コルサコフの「第3」、グラズノフの「第6」など、めったに演奏されない珍しい曲を連続録音し、高い評価を得ているヨンダーニ・バットはマカオ出身の指揮者で現在はカナダ国籍、リムスキー=コルサコフのCDは1985年度のイギリスのMRAグラモフォン賞を獲得した。

十字軍の兵士シグール―グリーグ管弦楽作品集/バット指揮 RPO ジャケット解説

聞いたこと無い指揮者だと思ったら、書かれているのも聞いたことない曲ばかり。サン=サーンスなら第2より第3(オルガン付き)が、リムスキー=コルサコフなら第3より第4(交響組曲『シェヘラザード』)、グラズノフなら第6(Wikipediaの記事が無かった、英語版にも!)より第4第5のほうが有名だよなあ。マイナーな曲を発掘するというのも必要なことなんだろうけど。

で、お目当てのシーグルの解説にはこう書かれている:

組曲「十字軍の兵士シグール」 作品56

ノルウェーが生んだ文豪ビョルンソン(1832〜1910)の戯曲「十字軍の兵士シグール」の上演のため、1872年グリーグは独唱、合唱付きの5曲から成る劇音楽を書いたが、20年後にオーケストラだけで演奏できる組曲に改編した。

第1曲 前奏曲「王の宮殿にて」

三部形式で書かれ、中間部に置ける木管のデリケートな扱い方が大変美しい。

第2曲 間奏曲「ボリヒルドの夢」

前後の優美な音楽に中間部のドラマティックな激しさが対比される。

第3曲 忠誠行進曲

光彩陸離たるファンファーレにつづいて荘重な行進曲が始まるが、曲は多彩に変化し、いかにもグリーグらしい魅力的な旋律も登場する。

十字軍の兵士シグール―グリーグ管弦楽作品集/バット指揮 RPO ジャケット解説

「兵士」だったり「シグール」だったりしますが原文そのまま引用しました。なんとも簡単な解説。

自分なりに解説を補足すると、第1曲はクラリネット・ファゴットが最初に主題を演奏し、弦へ受け渡しトゥッティとなります。中間部ではフルートとオーボエの掛け合い・クラリネットとファゴットの掛け合いが主役。オーボエの旋律・弦の伴奏という構図は「ペール・ギュント」の『朝』でも見られる。その後は最初の主題に戻る(というかダ・カーポで本当に最初に戻るだけ!)。

第2曲は弦の8分のゆっくりしたメロディがティンパニのトリルの上で動いている。静かに収まった後、緊張した曲調となり、最初のメロディが木管と弦でffで奏でられて静かに終わる。

第3曲は金管のファンファーレで始まる。その後は4本のチェロ ソロがこの曲の主題を奏で、弦全体で繰り返される。木管やホルンが追加され、チューバ・トロンボーンやトランペットが入ると一旦頂点に向かう。曲は静かになり、ハープの上で弦が第2主題を奏でる。もう一度曲調が早くなり、スネアの上でトランペットがファンファーレを再び行う。第1主題を4本のチェロ→弦→オケ全体と繰り返して壮大に終わる。ちょっと行進するには歩きにくいけど雄大な曲だ。

ちなみにスコアは多分これだと思います:

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しかし、現時点で中古品が7047円から、って高いなあ。Amazon.comだと在庫が無いようだ。あと販売元のScott Musicのページを見ると、64 Pagesと書いてあるけど、Amazonのほうは55ページとある。うーん、頼むにはちと不安だ。

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