産經新聞の朝刊が新聞紙のレイアウトのまま閲覧できるiPhoneアプリを公開したそうです。しかもこのアプリケーションは無料で、全紙面がタダで読めるとのこと。
産経デジタルは12月12日、産経新聞朝刊の全紙面を、紙の新聞そのままのレイアウトで読むことができる無料のiPhone/iPod touchアプリを、iTunes Storeで公開した。
日本の新聞社が紙面を無料でiPhone/iPod touchに配信するのは初。
1面からテレビ欄まで、広告を含めた全紙面を、当日の朝5時に配信する。アプリを起動すると自動で最新紙面を取得。取得した紙面データはオフラインで閲覧でき、ページ一覧から読みたいページを選んだり、拡大・縮小して読める。
これは凄い、というのを通り越して、怖い。
ここまで無料で提供して、産経は損ばっかりして、そのまま潰れてしまうんじゃないかと。
ついこの間も、アメリカの大手メディアであるトリビューンが破綻なんてニュースが流れてました。ネットの普及で新聞の発行部数が減り、広告収入も減少。新聞やテレビなどの旧来のメディアの収益モデルが崩壊してこれから大変だよ、なんて言われていたっけ。
で、起死回生の策として産経新聞は全紙面をiPhone上に公開しちゃった。しかも無料。あれ、これって産経新聞にびた一文入らないんじゃない?
まあ、紙媒体を発行するのと違ってデータを配るのにコストは殆ど掛からないし、元々産経は発行部数がそんなに多くないから、もう「新聞紙」を経営の柱には考えてないのかなあ。こうやって無料で読んでもらって新聞広告に目を留めてくれるほうが広告主に喜んでもらえる、ということか?
でもねえ、コンテンツはタダという感覚を利用者に植え付けたら、ますます新聞紙で買って読んでくれる人が減ってしまいそう。PC上で紙面が読める産経NetViewは、過去一ヶ月分の紙面が全部読めて月額420円。当日の紙面しか読めないとしても、月額210円のアプリとして配布しても充分需要はあると思う。産経の朝刊が一部100円だから、一月に2日以上読めば元が取れる。
今回の無料と言うのが期間限定かもしれないけど、とにかく世界初の試みを始めた産經新聞。NetViewにしろ、「ウェブ・ファースト」を掲げ記事掲載期間を6ヶ月にしたり写真を壁紙サイズで掲載しているMSN産経ニュース、通常ニュースとコラムを並立して扱い会員コメントや外部トラックバックを隔たり無く受け付けているiza!など、ネットへの積極的な取り組みはこれからも目が離せません。
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