ハイドンはとんでもないコトを忘れていきました。G線のチューニングです。

フィリアホールで行われたオンディーヌ室内管弦楽団の第35回演奏会に行ってきました。

  • ベートーヴェン/コリオラン序曲
  • ハイドン/交響曲第60番 ハ長調 「うかつ者」
  • ブラームス/交響曲第3番

コリオランは現在自分が取り組んでいるし、ブラームスの3番も何度か録音を聞いているので親しみがありますが、ハイドンの60番は全く持って初めて聞きました。でも、事前に出演者からこの曲の概要を教わっていたので、演奏会中も睡魔に教われることがありませんでした。

ハイドンの交響曲第60番「うかつ者」(it : Il Distratto)は、まず6楽章という変則的な形式。2楽章の弦の穏やかなメロディの間にも木管が変な間の手をうったりするなど、滑稽な作品。極めつけは5楽章が終わった直後、ヴァイオリンがG線をFに下げ、6楽章はそのG線をチューニングし直すところか始まります。「E-A(OK!)、A-D(OK!)、D-F(???)」って感じで。

ちなみにアンコールで演奏した交響曲第45番「告別」の第4楽章は、演奏者が途中で演奏を止めて舞台から出て行き、最後にはコンサートマスターと2ndトップの2人だけとなりました(なんと指揮者まで出て行った)。

作曲当時、ハイドンと宮廷楽団員は、エステルハージ家の夏の離宮エステルハーザに滞在中だった。滞在期間が予想以上に長びいたため、たいていの楽団員がアイゼンシュタットの住居に妻を送り返さなければならなかった。このためハイドンは、おそらくエステルハージ侯が進んで、楽団員の帰宅を認める気持ちになるように、終楽章で巧みにエステルハージ侯に訴えた。終楽章後半の「アダージョ」で、演奏者は1人ずつ演奏をやめ、ロウソクの火を吹き消して交互に立ち去って行き、最後に左手に、2人の弱音器をつけたヴァイオリン奏者(ハイドン自身と、コンサートマスターのアロイス・ルイジ・トマジーニ)のみが取り残される。エステルハージ侯は、明らかにメッセージを汲み取り、初演の翌日に宮廷はアイゼンシュタットに戻された。

言葉を使わず音楽でメッセージを伝えるとは、さすが交響曲の父、かな。

ちなみにコリオランもブラームスも非常に良かったです。ブラ3は迫力がありすぎていままでのイメージとは違いましたけれど。コリオランはテンポが速くて緊迫感が感じられました。でもやっぱりベートーヴェンは難しそう。

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