この春に東工大オケで演奏するドヴォルザークの交響曲第6番は、中々マイナーなためか、日本の楽譜出版社からは出版されていません。ヤマハ渋谷店で探しても見つかりませんでしたが、ようやくこの前輸入版をカワイ表参道で見つけました。税込3,465円という価格はミニチュアスコアとしては安くないけど、Amazon.co.jpで探したら¥5,764より
とあったので、交通費をかけてもこちらのほうが安上がり。現在も置いてあるかは判らないけど。団員全員で買うなら直接オイレンブルグに問い合わせた方が良いんじゃないかなあ。
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輸入版なので、よくあるスコアの解説文も英語と独語、でもそんなに用語も難しくないので簡単に訳せそう。と思ったけど、面倒なのでやっぱ止めた(おいおい)。
CDの解説を読むと、ブラームスの交響曲第2番を初演(1877.12.30)したハンス・リヒターの要望で書かれた曲がドヴォルザークの交響曲第6番らしい。この曲の初演はリヒターの予定が取れなくて叶わなかったけれど、作曲・初演された翌1882年の5月15日にベルリンで演奏していて、勿論ハンス・リヒターに献呈されている。
これらの解説を読めば、ドヴォ6の1楽章や4楽章がブラ2のそれとそっくりなのも当然。でも3楽章は、同じ4分の3拍子だけれど、ブラームスとは一線を画すスラブのリズム、というかスラブ舞曲まんまだ。ジムロック社に、「ブラームスのハンガリー舞曲のような曲を」と依頼されてスラブ舞曲第1集(Op.46, B.83)を作曲したのが1878年だから似るのも当然か。民族色を出しつつも西欧の様式に織り込む、というドヴォルザークのスタイルが出版社や聴衆にウケて、流れに載って作曲した、「交響曲ニ長調 作品60」が、彼の初めて出版された交響曲として世に出された(だから最初は「交響曲第1番」と呼ばれた)ので、ブラ2とスラブ舞曲を掛け合わせて作られたシンフォニーと言えそう。
同じチェコに生まれながら、民謡のリズムや旋律を古典的な音楽様式に織り込んだドヴォルザークと、民謡の旋律や舞曲リズムを具体的な場面描写に標題的に用いたスメタナは、お互いに尊敬しつつも違う音楽的立場だったようです。まあ、スメタナの話はまた後で。
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