Recycle(再資源化)よりReuse(再利用)

無論、リデュース(Reduce, 減量)のほうが、大抵はリサイクル(Recyle, 再資源化)やリユース(Reuse)よりエコロジーなのですが。昨今は何でも「リサイクルといえば環境に優しいんだろ」的なエゴ的エコがまかり通っている気がします。

PETボトルをリサイクル

ペットボトルの場合も同じで、リサイクルよりリユースした方がずっと環境に良い・・・という文章を初めて見たのは、数年前の通販生活の記事だったと思う。また、先月末に放送されたフジテレビ系の番組「さんま・福沢のホンマでっか!?ニュース 激動の2007年総決算!! 気になるアノ真相全て教えまっせスペシャル!!」でも扱われ、出演者がかなり驚いていました。かなりテレビ的な演出をしていた感があるけれど、司会の明石家さんまの「来年までにそれがホンマかどうか調べてきますわ」と、自分で真偽を確かめる姿勢には良い印象を受けました。

で、どのくらい資源の無駄かと調べてみたら、月刊チャージャーの記事が見つかりました:

Q.ペットボトルのリサイクルは本当にムダなんですか?

本にも書きましたが、リサイクルをする前はペットボトルのために使っていた石油はおよそ26万トン。リサイクルをするようになってからは約200万トンの石油を使っているんです。平成16年には約50万トンのペットボトルを作り、再利用できたのは3万トンだけ。年間で推定1000億円の予算をかけて、使う資源もゴミの量もおよそ7倍になっているのが現実です。

そういえば、PETボトルから再びPET樹脂に再生する工場をテイジンが作った、ってCMでやってたよなー、と思ったらWikipediaにこんな文章がでてました:

ペットtoペットの事業モデルの破綻が、次の事例で指摘されている。2003年、帝人グループの子会社帝人ファイバー徳山工場(山口県周南市)において日本で初めてペットボトル廃材からペットボトルを再生するための量産工場が立ち上がったが、2005年7月にペットボトル廃材の価格高騰による原料調達難から工場が生産停止に陥っている。

そもそもバージン原料の方が品質も高く、供給も安定していることから地方公共団体からの交付金による補填で事業化を図ったものの、ペットボトル廃材の引取交付金がマイナスに転じる(ペットボトル引取業者が地方公共団体に代金を支払って廃材を引き取り、主として中国に輸出するようになった)と、事業モデルそのものが成立しなくなった。

普通の化繊よりペットボトルをリサイクルして作った衣服の方が若干価格が高く売られていますが、あれって極論すればリサイクル品の方が多くエネルギーを消費して生産しているということですよね。輸送費もバカにならないし、回収したほとんどを焼却している現状を見れば、「分別しなくて良い」なんて意見が出るのも当たり前です。

PETボトルをリユース

で、日本でもやっとペットボトルの再利用に向けた具体的な動きが出てきました。

ペットボトルを回収して洗浄し、飲料水を詰め直して繰り返し使用する全国初の実証実験に首都圏周辺の生協が取り組んでいる。廃棄せずに破砕して原料としてリサイクルした場合に比べても、二酸化炭素(CO2)排出量の削減効果が見込まれるという。

国内に専用洗浄プラントがないなど課題もあるが、担当者は「平成22年ごろまでの実用化を目指したい」としている。

長野県と栃木県の業者と共同で、1.5リットルの耐熱性再使用(リユース)ペットボトルを開発。洗浄しやすいよう肩の部分に丸みを持たせ、キャップ下のリングは開封時に外れるよう再使用に適した工夫をした。

昨年9月から年末にかけ、神奈川、山梨両県の2生協の組合員向けにミネラルウオーター約5000本を配達、両県の計3カ所のスーパーなどでも約800本を販売した。容器は回収後、傷やにおいを検査、東京都足立区の工場で洗浄し、山梨県の飲料水メーカーが水を詰め再び販売。キャップに再使用回数を示すシールを張った。これまでに約7割を回収・再使用した。

同連合会は、CO2排出量について「5〜10回再使用すると、使い捨てた場合の3分の1から4分の1程度になる」と試算している。欧州では20年以上前から再使用に取り組んでおり、30回近く再使用することもあるという。

問題点を挙げるとすれば、工場の遠さ。神奈川・山梨で消費&回収→東京足立で洗浄→山梨で詰める・・・という輸送にかかるコストが高すぎる。せめて洗浄工場と充塡工場は近い場所に、できれば隣接して建てて、無駄な輸送費がかからないようにすればもっとスマートにいくはず。

CO-OPだけでなく、主要な飲料メーカーと主要な小売りチェーンが連携してリユースネットワークの実用化を図ってくれれば、二酸化炭素の削減にも大きく貢献してくれると思います。

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