躾の為の? ニセ科学

Wikipediaでは「疑似科学(英語で pseudoscience)」という記事名になってますが、「ニセ科学」の方が科学ではないと一目瞭然ですね。

以前からニセ科学・疑似科学という言葉を耳にはしていましたが、最近になって痛いニュースやスラッシュドットなどで取り上げられてました。

「水に『ありがとう』と書いた紙を見せて凍らせるときれいな結晶になる」という奇妙な言説を聞いたことがあるだろうか。

「ない」という人は幸福だ。「ある」と答えつつ、すぐに「なにをバカな」と笑い飛ばした人もまた健全である。しかし「そんなこともあるかも」とか「なんとすばらしいことだ」と思った人は、奇妙な論理にとらわれてしまった人である。

ところが、この奇妙な言説はここ数年、世間に広がってしまった。

きっかけは、江本勝という人物が出した「水からの伝言」(波動教育社刊)、「水は答えを知っている」(サンマーク出版)などの一連の書籍による。これらの書籍は「実験」と称して、水に「ありがとう」と書いた紙を見せて結晶を作成してみたり、「ありがとう」の念を水に送って結晶させるなどして、「その結果、美しい結晶が出来た」と、きれいな水の結晶の写真を掲載していた。

これが妙な具合に受けてしまい、江本氏の本は、数十万部を売るベストセラーになってしまった。

その結果、テレビで芸能人が紹介したり、この本に影響されたドラマが放送される事態が発生。加えて、教育技術法則化運動(TOSS)という教師の間で広まっている教材や授業を開発する運動の中で取り上げられ、「水も『ありがとう』という言葉に反応してきれいに結晶します。だからみなさんも美しい言葉遣いをしましょう」という形で道徳の授業に使われてしまった。

どう考えても科学的な誤り、それも「水が自分の思いに反応する」というアニミズム的錯誤が教育の現場に入り込んでしまったのだ。

話がそれますが、日テレで放送していた「ゲツヨル!」は超能力を暴くマジシャンの話で、番組中でも、精霊と交信して投資することが出来るという「自称超能力者」の挑戦を受けて立っていました。超能力を紹介するテレビ番組は今まで何度もあってもう飽き飽きしていましたけど、超能力を暴く番組は今までなかった(と思う)ので思わず見入ってしまいました。挑戦は失敗に終わりましたけど、挑戦する方もされた方もお互いを讃えあって番組を終えて、非常に好印象でした。

その番組の中で、千里眼事件についての話題にも触れてました。あの事件は東京帝国大学の学者が関わり、超能力を「科学」として研究したようで、いわゆるニセ科学の先駆け的存在と言えるでしょう。先駆けてもらっても困りますが。

記事になるきっかけとなった本のタイトルは、「水は答えを知っている」への反論で「水はなんにも知らないよ」なんでしょう、思いっきり喧嘩腰です。まあそのくらい過激なタイトルで世間の注目を引いて、ニセ科学にだまされる人が少しでも減れば良いですが。

まあこのブログを見に来てくれる人は理系の人が多いと思うので、わざわざここで反論しなくてもよいでしょうか。詳しくは紹介した記事を読んでみて下さい。

ちなみに自分は超能力とか霊感とかが別にあっても良いと思います。「科学じゃない」とこちらが高をくくっているからです。それを「科学だ」と言ってしまうのが問題な訳で。ネタで言ってるなら良いんですが、ネタをネタと見抜けない人も世の中には多くいるわけで。

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