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東工大のブランド戦略 – TOKYO TECH Pursuing Excellence

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今月の4日頃に東工大のウェブサイトが少しだけリニューアルしていました。基本的な構成は変わっていませんでしたが、トップの画像が、東工大のシンボルマークである「ツバメと窓」から新しい「TOKYO TECH」のロゴマークに変更されていました。

[TOKYO TECH New Logo, Catch phrase and Message]

大学ブランド戦略

今までシンボルマークと違い、東工大のブランド力を高めることを強く意識して定められたらしく、内規やマニュアルにより使用方法が事細かに記されています。今までのシンボルマークもそのまま使うようで、ロゴマークとシンボルマークを併用した使用方法も掲載されています。

[TOKYO TECH New Logo and Symbol Mark]

大学が自身のブランディングについて取り決めるのは珍しい話ではないようです。慶應義塾のペンマークやエンブレムなどは日本で最も有名なシンボルマークと言っても過言ではないし、つい最近共学化した武蔵野大学(旧・武蔵野女子大学)や大胆に黄色をスクールカラーとした明治学院大学、明治大学や法政大学も高層校舎の完成に呼応して(?)モダンなマークを制定しています。国公立大学でも、九州大学や首都大学東京など、東京大学は新旧の東大マークに加え、「コミュニケーションマーク」なるものも作っています。

東京工業大学では大学としてのブランドを確立するため、21世紀に入ってからこれまで曖昧だった大学の象徴を明確に定める作業を行ってきました。具体的には2002年に略称を「東工大(日本語)」「Tokyo Tech(英語)」と、2004年にはスクールカラーを「ロイアルブルー(DIC 641)」としたことです。英略称については、MITに倣った「TIT」やCaltechに倣った「Titech」等もあり学内でも混乱していた(特に前者は卑猥な意味となってしまうため)ので、制定は急務だったといえます。

初見は新聞広告?

「内規」によれば、制定されたのは平成18年の12月15日ということなのですが、実はそれよりも前にこのロゴが世間の目に入っていました。

それは東工大とマイクロソフトが共同で出した見開き広告で、(自分が知っている限りでは朝日新聞の)12月13日の朝刊に掲載されていました。左下に、松下電器産業のオキシライドでマイスターの飛行機を飛ばしている写真が掲載されているのですが、Panasonicの文字は見当たらず、代わりに目新しい「TOKYO TECH」のロゴマークが描かれており、まぎれもなく「東工大の」広告であることが分かります。

デザイン評価は

さてそんなわけでロゴマークが制定されましたが、mixiの東京工業大学コミュニティのトピックでは「ダサイ」等の声も上がり、あまり芳しくない評価です。

自分の意見としては、このロゴは、ダサイというよりは「垢抜けない」という印象を持ちます。ロゴマークが「TOKYO TECH」の文字をそのままロゴの書体として直線で意匠したのが原因の一つでしょう。もう一つあげるとすれば、ロゴから四方に飛び出している線でしょうか。マニュアルの言葉を借りれば、四方に突き出ることで「未来に向けて発展し続けていくという躍動的なイメージ」を表現しているのだと思われますが、ロゴ自体もそこから出る線も平行四辺形だけで構成されていることで意外性がないことが、ロゴマークを面白みがないと感じさせてしまうのだと思います。

キャッチフレーズの「Pursuing Excellence (卓越性の追求)」は、常により良いものを求める理工系総合大学として掲げるモットーとして良い言葉だと思います。メッセージも制定されていますが、実はじっくり読んでいません。細かい文字で書かれたメッセージは、内容ではなく存在することに意義があるのだと思います。麒麟麦酒の麒麟の下の小さな文字で書かれた文章は誰も読まないけれど、そこにビールメーカーの言いたかったことがある、ということだけが伝われば良いのと同じです、多分。

ただカラーがロイアルブルーと薄いブルーで構成されているのは、ロゴマークとして薄っぺらい印象を受けます。ロイアルブルーと同じくらいの重厚な色合いを持ってくるか、もしくは相反する色としてオレンジか黄色をサブカラーとして配置すると、もっと垢抜けた印象が出たでしょう。ただ「ブルー・レッド」だと慶應、「ブルー・オレンジ」だと法政、「ブルー・イエロー」だと東京経済大学や城西大学などを思い出してしまうのが難ですね。

「フォーマットが指定されていて面倒」という意見もありましたが、ブランドを全面的に押し出すにはある程度は形式を決めないとせっかくの統一性が失われてしまう可能性があるため、仕方ないことだと思います。

そういえばこのロゴマークを創りだしたのが誰なのかも気になるところです。マニュアルを見てもそれらしき表記は見当たりません。マニュアルの充実ぶりからすると外注したのではないかと思うのですが、もし東工大の広報・社会連携センターの職員が一所懸命に考えて編み出したものだと考えるとそれはそれで面白いです。

「垢抜けない」と言ってしまったロゴマークですが、裏を返せば「真面目」ということで、ひたすらに研究を続ける東工大というイメージが定着して、それはそれで良いかもしれません・・・もうちょっとロゴのどこかに「丸み」が欲しかったですが。ただ、これから大学も競争が激しくなる中で、ブランド戦略というのは重要になってきますから、制定したロゴマークを有効に使用していくべきでしょう。

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