もう3ヶ月も前のこととなりますが、神戸大学で行われました2014年度日本建築学会大会[近畿]の、学術講演会研究発表に参加してきました。
発表した分野は環境工学、5分程度の発表と2〜3分の質疑応答でした。発表は時間超過せず、質疑応答もとりあずはちゃんと受け答え出来ましたし、まあ及第点を貰えるぐらいの発表だったと思います。
学会での発表はおよそ10分ぐらいで終わりですが、その前後でほかの方の発表も見ました。
発表を見るついでに、日本で一番高い建物であるあべのハルカスを見たり、
日本建築学会の大会出席者に先行公開されていた竹中大工道具館を見学したり、
神戸牛に舌鼓を打ったり、
大阪の串かつを堪能したり、
阪神電車に乗ったり、
大阪駅のデカイ駅舎を見学などしておりました。
…あれ、なんか研究発表・聴講より、単なる旅行的なプログラムが多いような気がしますが、気のせいですよ!?新たな建築を見学するのはゼネコン社員としては至極真っ当な行為ですし、竹中大工道具館も伝統的な技術を知ることが出来ましたし!あと関西の食べ物美味しかった!
posted by (C)B4たかし
まあそんなことはさておき、私の人生初の学会参加は無事に終わりました。そう、私、B4たかし、東京工業大学に7年間も在籍しておきながら、諸々の学会という学会に出席したことはこれまで一度もなかったのです。「お前なんでないんだよ」と言われようが未経験だったものは仕方がないのです。
そういえば。大学院を卒業する日、私はブログにこのように書いていました:
結局研究内容に関してはあまり、というか全然成果は出ませんでした。東工大に来て7年間、高大連携で入らせてもらいましたが、どうやら私は研究者向きの正確ではなかったようです。4月から働く職場は機械系でもない会社、工事現場でバリバリ指示を出したり出されたり、技術と言うよりはコミュニケーション力でなんとか製品を作っていく現場です。
2011年の3月まで、私は研究者としては失格で、それ以外で技術を発揮することを生業にしようと考えていました。
しかし、工事現場で仕事をしているうちに(設備職員は本来は本社と現場の往復が主ですが、研修として入社1年目に建築現場に常駐していました)、「やはり研究職のように腰を落ち着けて仕事するほうが、現場で職人や業者とやりとりする施工管理職より向いているのではないか」と思うようになりました。
幸いにして入社2年目にして、上の部署への「技術研究所へ行きたい」という申し出が(普通はこんなに早く叶うことはないのですが!)通り、昨年5月から研究所への勤務となりました。
昨年は梗概を投稿していないために学会への参加もできませんでしたが、今年の9月には日本建築学会大会に参加しました。また12月には室内環境学会学術大会にも出席しました。後者は梗概の共著者であり、自分自身が発表する機会はなかったのですが、建築学会とは違う内容の研究にも僅かながら助力できたものと考えています。
自分自身が受け持っている研究テーマと、数社での共同研究、それに現場から上がってきた技術的な問題に対して検討する支援業務など、「腰を落ち着けての研究」という姿とは、少し違うかもしれません。それに上司が考えたテーマについて、シミュレーションモデルや実物大実験装置の制作を担当するなど、まだ一人で研究をすべて行うといった業務の流れにはなっていません。
それでも、東工大に入学してから10年目にして、ようやく「研究者」として胸を晴れるような業績、研究姿勢、知識量が増えてきたかな、と思っています。技術研究所から他の部署への転勤なども今後あるだろうとは思いますが、できうる限り研究開発を行って、社会にこれまでなかった技術を世に送り出したいです。