2014年夏期に視聴したアニメを見返したらなんか血腥い

残響のテロル オリジナル・サウンドトラック

2014年の夏(7月〜9月)に自分が視聴を継続していたアニメ、どうも萌えとか癒やしとかよりも、()(なまぐさ)い作品が多かったような気がします。感想も含めて見返してみました。

なお、各作品についてただ感想を述べているだけですので、ポロッとネタバレを書いているかもしれません、予めご了承ください。

ALDNOAH.ZERO(アルドノア・ゼロ)

火星で発見された超文明と、地球との戦いを描くロボットアニメ。第1話で火星から大群が押し寄せて数千万人単位で人が死ぬ。血腥い。

ストーリー原案が虚淵玄、オープニングテーマ曲が梶浦由記作詞曲、歌はKalafina…あれ、どこかで聞いたことあるぞ。

地球に住む高校生 界塚伊奈帆、火星の皇女アセイラム・ヴァース・アリューシア、地球人ながら火星に辿り着いた少年スレイン・トロイヤードの3人が物語の主人公。しかし他に出てくるキャラクターも一癖も二癖もあるようで見ていて飽きない。特に地球を侵略しようとする火星側の騎士がいろいろ想いを持って攻撃しているのが楽しいですね。第1クールの最終話、第12話にて界塚とアセイラム姫が消息不明となる幕引きで(良い意味で)後味の悪い結果となった。分割2クール目が今から楽しみです。

PSYCHO-PASS(サイコパス) 新編集版

近未来の日本、人間は心理状態や性格をスキャンする「シビュラシステム」が普及していた。シビュラシステムによる値「PSYCHO-PASS」を特殊な拳銃「ドミネーター」で検出することで、警察は治安維持活動を行っている、という近未来SF警察もの。いっぱい人が死んで血腥い。

ストーリーは虚淵玄…またかよ!「踊る大捜査線」を生み出したフジテレビのお陰か、刑事一人ひとりが独自に考えを持って行動しているのが面白いです。ストーリーを通して、主人公である常守朱の刑事としての成長が見られて面白かったです。数々の犯罪を操る槙島聖護にも、「シビュラに決められる人生など家畜と同じだ」という彼なりの行動哲学があって、見ていく内に共感を呼びました。

元々は2012年から全22話で放送していたものを、1時間を11話に収めたのが「新編集版」。いくつかカットが増えているようで、なんか得した気分ですね。

放映中に、佐世保で女子高生が同級生を殺人した事件に関連して、第4話が放映中止となる事態が起きました。

新編集版の第3話の後半から第4話にかけて、お嬢様高校に通う王陵璃華子が、自らの芸術を完成させるために殺人を犯す、という内容でした。第3話後半を見た後、佐世保の事件を知って「あれ、これサイコパスっぽい話だ…」と連想せずにはいられませんでした。放映中止はやむを得ないことなのかな…と思います。なお私は第4話を見るためにフジテレビオンデマンドに加入しましたが、PSYCHO-PASS数値が悪化しそうでした。

10月からは第2期、そして映画でも上映されるようです。第2期は新キャラも出てくるようで、こちらも楽しみです。

東京喰種トーキョーグール

現代の東京、人の姿ながら人の肉を喰らって生きる喰種(グール)をテーマとしたサイエンス・フィクション。血腥い、というか正に血の匂い。

人間として過ごしてきた金木研が、ある事件を切っ掛けに喰種になるところから物語が始まる。人間と喰種のどちらにもなりきれない葛藤を抱えているのですが、最終話でそれを吹っ切って覚醒します。続編あるよね、あるよね?あの終わり方なら第2期がないと!

喰種としてパワーを出すために、主人公の一人である霧嶋董香が金木の血を(もしかしたら肩の肉もちょいと食べたかも)吸うシーンが有るわけですが、あれは私が見た捕食シーンの中で最も美しいものでした。…そんなに捕食シーンを見たことないですけど。

残響のテロル

青森の核燃料再処理施設で、プルトニウムが強奪される。半年後、「スピンクス」と名乗る2人組が犯罪予告の動画をネットにアップする。予告通り爆弾テロが実行され、東京都庁が半分崩れ落ちる。次々にテロを予告・実行するスピンクスの2人組、その真の目的とは――というストーリー。血腥いといえば血腥いのだが、この作品、実はそんなに死者が出ないで物語を終える。

何を隠そう、私が考える2014年夏期で最も面白かったアニメ。ナインとツエルブの凸凹な信頼関係、ストーリーで出てくる謎を柴崎刑事が様々な手がかりを基に解き明かす展開は胸がすくようであった。

本作で最も良かったと思うのは、ヒロインである三島リサの存在だと思う。高校ではいじめられていて、ふとした切っ掛けでテロリストである2人の仲間に加わることになる。…なんだけれど、この子、本当にグズ!あいや失敬、しかし料理はできないし、話し方もいつまで経っても辿々しい。ただ、こういう子だからこそいじめられるし、その境遇から抜けだそうという気持ちになるのだろう、と物語に現実味を与える存在であった。

三島リサもそうだし、途中からキーパーソンとしてでてくるハイヴも、アニメらしい可愛さを極度に出すことがない。というかスピンクスのナインやツエルブとの色恋があって良さそうなものだけれど、それもない。「アニメ的な記号がほとんどない」と評している人がいたけれど、正にその通り。それがこの作品の価値を高めていると思う。

映像、ストーリー、音楽(OP、ED、BGMも)様々な点において磨き上げられたこの作品、万人受けするかはわからないけれども、(アニメおたくだけでなく)万人にお勧めできる傑作です。

Persona4 the Golden ANIMATION

人気ゲーム「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」のアニメ化。ストーリー上で死者が幾人か出ているはずなんだけれど、構成上そんなに関わってこないのでそんなに血腥くない。

人気ゲーム「ペルソナ4(P4)」をアニメ化したのが「Persona4 the ANIMATION(P4A)」、P4に新規のイベントなどを盛り込んだゲーム「ペルソナ4 ザ・ゴールデン(P4G)」をアニメ化したのが「Persona4 the Golden ANIMATION(P4GA)」。ややこしいけど、正確な意味ではP4GAはP4Aの続編ではない。しかし、P4GAでは新規追加されたところを中心としてアニメ化していたので、P4Aでおおまかなストーリーを知っておかないと置いてけぼりになるの必至。逆にP4Aを楽しんでみていた人ならハマること必至。私は放映直前にニコニコ一挙放送でP4Aを視聴してからP4GAを見始めたのでもちろん楽しめました。でもやっぱりP4GAで省略された各登場人物のエピソードももっと見たかったなー。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース

ジョジョ第3部のアニメ化、前半2クールを4月から9月にかけて、後半2クールは来年1月から放送予定だそう。戦いで死んだり重症を負ったりする描写が多いけど、血腥いというよりは汗臭い感じ?

「レロレロレロレロ」「やれやれだぜ…」など名言の多い作品をよやく鑑賞することが出来ました。なるほどこりゃジョジョファンが多いのも頷けます。第1部・第2部は総集編をニコニコ一挙放送で見ていたのですが、こちらを見ていなくてもちゃんと楽しめるし、見ているとさらにおもしろいという作りがいいですね。

月刊少女野崎くん

男子高校生ながら人気少女漫画家である野崎梅太郎と、彼を好きな女子高生 佐倉千代が何故かアシスタントになるところから始まるコメディ作品。まったく血腥くないよ!

主に彼のアシスタント、そしてその周囲の人が巻き起こすハプニングを面白おかしく描いている。テンポが良くてサクサク見られるのが自分には嬉しい。あとなんだかんだ千代ちゃん可愛い。でも野崎くんに告白した日に彼のうちに行って、ベタ塗りしてようやく漫画家だったことに気づくってどうなの。面白いからいいけど!

以上がレギュラー放送での作品。ここからは特別放送などでの作品の感想。

花物語

西尾維新の〈物語〉シリーズセカンドシーズンの作品で、レギュラー放送に収まらなかったおよそ5話分を2時間のスペシャルアニメに構成して放映。血腥いというよりは獣臭い?

セカンドシーズンでほとんど出番がなかった、猿の手を持つ少女・神原駿河が主人公の話で、シリーズの中で最も未来の話。それまで主人公だった阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎは高校を卒業して、神原駿河が3年生になった頃。ツッコミ役であるずだった阿良々木君がいなくなったためか、それまでボケ役が多かった神原のシリアスな語り口でストーリー展開される。

沼地蠟花との対決がおもな主軸だけれども、ちらっと出てきた忍野扇の存在が不気味だ。おそらくファイナルシーズンでそこら辺が明らかになるのだろうけれど、今から楽しみです。

ああ。ところで2012年劇場公開予定だったはずの傷物語はまだですかね?

新世紀エヴァンゲリオン / ヱヴァンゲリヲン新劇場版

エヴァといえばいくつか作品があるけれど、自分が視聴したのは以下の通り。TVシリーズは去年のニコニコ一挙放送で、それ以外は日テレのエヴァ祭で視ました。

  • 新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ):2013年1月1日(第1話~第13話)2日(第14話~第26話) ニコニコ生放送
  • EVANGELION:DEATH(TRUE)2:2014年8月18日 日本テレビ「映画天国」
  • THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に:2014年8月25日 日本テレビ「映画天国」
  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 TV版:2014年8月22日 日本テレビ「金曜ロードSHOW!」
  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版:2014年8月29日 日本テレビ「金曜ロードSHOW!」
  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q TV版:2014年9月5日 日本テレビ「金曜ロードSHOW!」

血腥いといえば血腥い作品…なのか?そういう次元でも無い気がする。

私が小学生の頃、同級生が「エヴァすごい面白いよ!」と言われてから15年、ようやく作品を視聴出来ました。TVシリーズでのアツい展開(主に前半)、アスカやレイとの恋愛模様、碇シンジの心理描写が細かく描かれて面白い!と思ってたのですがTVシリーズ第25話と第26話で「なんじゃこりゃ」的な心理描写に。お、おう?全て投げっぱなしやん…。旧劇場版「DEATH(TRUE)2」は続編というよりは、各登場人物の心理変化を時系列から切り離した作品で、それぞれの人間の揺れる想いは分かったけど、謎はそのまま。旧劇場版「Air/まごころを、君に」ではアナザーストーリーというか、人類によるサードインパクトを目論むゼーレとNERVの戦い…なんだろうけど、まー人が死ぬ死ぬ。それよりあれだ、これが有名なシンジくんのオナニーシーンがある作品か!シンジくん変態やな!ま、同じようにはだけたアスカの肌が見えたら自分もするかも!それは置いておいて、なんやかんやあってシンジとアスカだけ生き残って、シンジがアスカの首を絞めようとして嗚咽した後のアスカの台詞「気持ち悪い」は、なんというか、感動とも驚愕とも違う、衝撃を受けました。それまでのストーリーはさ〜っぱりわからないけどね。

新劇場版の「序」と「破」はおおむねTVシリーズに沿っているようだけれど、真希波・マリ・イラストリアスとか新キャラが出てきて古いファンも楽しませる…ようになっているのでしょうか。「Q」からさっぱり独自ストーリーなのだけれど、空飛ぶ艦隊を上下からぐるっと見渡すようなシーンが含まれていて、それまでの作品とは一線を画している印象を強く受けました。最後のシーンでアスカ、シンジ、レイの3人が共に歩みを進めるってのはなんか印象深いですね。

残念だったのは、カットが多かったこと。いや、表現規制というのも残念だけれども、新劇場版はどれもエンディング曲をカットしているのですよね。放送の尺の問題だとは思うのですけれども、やはりあれがないと余韻に浸れないんですよね。だったらDVDを借りるか映画館に行け、ということなんでしょうが。

あとアニメ以外だと孤独のグルメを見ていたんですが、実写ドラマだし、松重豊演じる井之頭五郎が食べるだけなので割愛で(なのに面白いのは何故なんだろう…)。

2014年の夏期を振り返ってみました。こうしてみると、わりと見てます。それなりにアニメオタクっぽい気もします。10月からも、サイコパス第2期やFate/stay nightなど気になる作品がありまして、そちらもドシドシ見たい所存です。

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