昨11日は午前に会社説明会に赴いた後、前回に続いて、日本フィルの東京定期を聞きに行ってきました。
日本フィルハーモニー交響楽団 第626回定期演奏会
- 日時
- 2010年12月10日(金) 午後7時・11日(土) 午後4時開演
- 指揮
- ピエタリ・インキネン
- 曲目
- ジャン・シベリウス / 組曲『クリスティアン2世』 作品27
- グスタフ・マーラー / 交響曲第1番 ニ長調『巨人』
- 会場
- サントリーホール 大ホール
ちなみに今回の演奏会は録音するとのことで、事前に「拍手は指揮者のタクトが降りてから」とアナウンスされていました。ただ指揮者のインキネンさんがどちらの曲の終了後にすぐに腕を下ろしたので杞憂となりましたが。
クリスティアン2世は聞いたことがなかったのですが、シベリウスらしい美しい曲でした。全5曲からなる組曲ですが、どの曲も木管やホルン、特にクラリネットが活躍する場面が多かったです。第3曲のミュゼット、アレグレットはバグパイプとシャリュモーを、ファゴットとクラリネットで表現したそうで、面白い曲でした。
マーラーは何度聞いてもいい曲です。かなり気合が入っていたようで、冒頭の弦のフラジオレットの音は殊に綺麗で、フォルティッシモの箇所ではかなり(いい意味で)ガムシャラになって弾いていました。あとほとんどの部分で「マーラーの指示通り」演奏していて、第1楽章最初のトランペットのバンダも(1stはおそらくassi.でしたが)舞台裏から、第2楽章などに出てくる木管のベルアップもおもいっきりやっていました。極めつけは第4楽章最後のホルンと5thトランペット・4thトロンボーンが、譜面通りの場所できっちり起立して吹奏していたこと!指示の3小節前だったり起立しないプロの演奏もある中、今回の日本フィルはかなり本気でこの曲に挑んだということでしょうか。たしかに良い演奏でした、ブラボーが自然に自分の口から出てしまったし、客席で目が潤んでしまいした。
ところで今回のプログラムノート、音楽評論家の奥田佳道さんが執筆したようで、今までよりかなり砕けた書き方で、しかし曲自体に興味を惹かれるような書き方で面白かったです。
北欧フィンランドの巨星ジャン・シベリウス(18865-1957)が――奇しくもマーラーの《巨人》同様――世紀転換期に紡いだ佳品を皆様と。
ピエタリ・インキネンと日本フィルによる【マーラー撰集Vol.1】は、万物創造の瞬間に立ち会うかのような、あの神秘的な響きで開始される。
マーラーの交響曲第1番は、1899年の初版出版の時点で、晴れて!?大管弦楽のための交響曲(マーラーの言葉)、つまり伝統的な4楽章構成の交響曲となる。が、事はそれで終わらない。
第4楽章:嵐のように運動して
シンバルの一撃が静寂を打ち破る。大詰め、マーラーが楽譜に書き込んだホルン、および補助トランペット、補助トロンボーンの起立斉奏を採用するか否かは、指揮者次第である。ホルンだけ起立、あるいは楽器を高めに掲げるベルアップでの演奏もある。
日本フィルハーモニー交響楽団 第626回東京定期演奏会 パンフレットより
最後の文章は、本番でHr.とTrb.・Trp.が起立するための布石だったようですね。