東工大附高校を振り返る (3) いろんな授業

2011年2月14日追記:この記事は、2002年から2005年にかけて在校していた頃の学校について、2008年に回顧して執筆したものです。書かれた文章の正確性については万全を期したつもりではありますが、全て6年以上も前の事柄であり、現状とは異なる内容が含まれる場合が大いにあります。最新の情報については、学校にお問い合わせください。

管理人・B4たかしは、記事の内容について一切の責任を負いません。

SSH科目ではないけど、東工大附属高校には特色ある授業が他にもありました。

数学 I・A 

1学年で教わった「数学」では、「数学 I」と「数学 A」とを交互に同じ先生に教わっていた。だから時間割の上での区別はない。だから数学の授業は毎日あったことになる。

情報技術基礎 

情報技術基礎は、情報もしくは情技礎(じょぎそ)とも略したりしたこともある(ITなんて略し方は聞かなかった)、パソコンを用いた授業だ。

Unix系の端末(確かFreeBSDだったような)を使い、C言語を用いて簡単なプログラミングをしたり、HTMLをEmacsでタグ打ちしていた。定期試験で、プログラムの文の最後のセミコロン( ; )を忘れて十数点も落とした記憶が。

先生は全員電子科の教員でした。高校独自のテキストも以前はあったようですが、授業はプリント主体で行われました。

体育理論 

文字通り、体育を実技ではなく理論面から学ぶ授業、だと思う。体中の筋肉の名前を覚えるとかやってました。

でもたまに漢字テストとかもやっていたり結構謎な授業だった。

英語B (英会話) 

正確には「オーラルコミュニケーション B」という授業名だったはずのこの授業。英会話してました。あと授業の始めに英語の授業を字幕無しで聴いていたりとか。

1年の最後で英語でプレゼンテーションをする発表甲斐があり、学年で1位をとりました、ってっことが言いたかっただけだったり:-P。

芸術 

芸術の授業は、高校の入学手続きと一緒に音楽・書道・美術の3つから選ぶ。自分は音楽でした。

音楽では、教会旋法やらA音の変遷(昔は415Hzくらいだったとか)とかの理論と、リコーダーでアンサンブルしたり歌唱したりする実践をやっていました。でも吹奏楽とかで役立ったかと言うとあまり・・・。珍しいバス・リコーダーとかを吹けたのは面白かったですけど、黒板の時が見づらかったり、音楽室のピアノがヒドい音だったり。

自分は1年と2年でそれぞれ1時間ずつ教わっていましたが、自分の下の代からは、1年時に2時間続けて授業を行うカリキュラムに変更しました。そのために、芸術の選択によってクラス分けをしていたようです(A・B・Cの一部は音楽、Cの一部・Dは書道、Eは美術のみとか)。

実習 

機械実習を行う授業。クラスを複数の班に分けて交代に受け持ちの先生に付いてやっていました。

扱った内容は、ガス溶接・被覆アーク溶接・手仕上げ・旋盤・制御。溶接は一通り出来るようになりましたが、講義などは受けていないので溶接免許的なものが交付されるわけではありません。制御は、レゴのロボットを制作・プログラミングして動かしたししていました。

機械設計 

機械の設計についての勉強してました。授業に使っていた実教出版の目次を参考に:

  • 機械設計1
    1. 機械と設計
    2. 機械に働く力と仕事
    3. 材料の強さ
    4. ねじ
    5. 軸とその部品
  • 機械設計2
    1. リンクとカム
    2. 歯車
    3. 巻掛け伝動装置
    4. ブレーキおよびばねと緩衝装置
    5. 圧力容器と管路
    6. 構造物
    7. 機械の設計

でも実際に教科書の内容を全部やっていたわけではありません。圧力容器とか習ってないし。そのかわりねじについては詳しく習った覚えがあります。授業とは別枠ですが、先生とねじ工場を見学にいったこともありました。

あと、「計測と制御」という教科書で、測定誤差についてなども少しだけ教わりました。

機械製図 

機械製図は、まあ機械の製図だね。前半は普通の教室で行っていましたが、後半はちゃんと製図室でドラフターを駆使してA3の紙に歯車やら軸受けやらを製図していました。

そう、この授業ではCADではなく、手書きの製図でした。CADによる設計は実習で習ったような記憶が・・・。

機械工作 

機械工作は実際に工作をする授業ではなく、主に工作法についてを習う授業。これも教科書の章を見た方がはやい:

  • 機械工作1
    1. 機械工業のあゆみ
    2. 工業材料とその加工性
    3. 鋳造
    4. 塑性加工
    5. 溶接
    6. 表面処理
  • 機械工作2
    1. 切削加工
    2. 砥粒加工と特殊加工
    3. 生産の計画と管理
    4. 機械加工の能率化と生産方式

「実際に工作はしない」なんて書いたけど、たまに教室を出て機械工場(っていっても学校の2号館にあるやつ)で実際の加工法を見学したりしました。

生活 

生活はいわゆる「家庭科」、家庭科室で裁縫とか調理とかやっていました。若干単位数が足りない気がするのは気のせいかな・・・。

類型選択 

東工大附属高校では、3年時には自分の好みや進路に応じて授業を選択できました。そのうち、類型選択は以下のコースに分かれます:

コース?教科 専門 数学 理科 国語 地理歴史 英語
物理 化学
専門 a 3 3
理科系 b 3 3
理科系 c 3 3
文科系 d 2 2 2

そうそう、バリバリ理工系の高校でも文転する人がいるので、文科系のコースもありました。学年200人弱の中で20人はそういう人がいました。

文系以外の3コースが学ぶ数学 IIIでは能力別授業を行っており、テストの点に寄ってクラスを1から4に振り分けていました。1クラスの人は、HとNのクラスを選択できました。Nクラスは2〜4クラスと同じように教科書に沿って授業を行いますが、Hクラスでは、教科書の内容は事前に把握しているものとして、授業では実際に大学入試に出てきたようなハイレベルな問題を解いていました。

自分は最初の回だけHクラスに出席しましたが、あまりのハイレベルさ(というか教科書まだ読んでないのに解ける訳ない!)に、次回からNクラスに変更しました。

現代社会 |

2年と3年でそれぞれ同じ「現代社会」という授業がありますが、内容も先生もベツモノでした。

2年時の授業は「政治・経済」、でも特に経済を学んでいた覚えがあります。というのも先生の趣向で、授業の時間を使って株の取引ゲームをさせられていました。架空の金を売買しているのですが、実際の銘柄を使って日々変動するレートを追うのは楽しかったですけど。

もう一つ特徴があったのは、授業の時間でディスカッションを行ったこと。一つのテーマに付いて班同士で対抗し、話し合いに参加していない他の班がジャッジして勝敗を決めるというものでした。

3年時の授業は「倫理」、でも週に1時間しかなかったからそんなに範囲は進みませんでした。


東工大附高校 2002年度 1年D組時間割
1限目 8:40
? 9:30
数学 数理基礎 化学IB 古典 体育
2限目 9:40
? 10:30
芸術 体育理論 科学技術基礎 化学IB
3限目 10:40
? 11:30
情報技術基礎 英語 I 数学 英語 I
4限目 11:40
? 12:30
古典 物理 IB 現代文
昼休み
5限目 13:15
? 14:05
世界史 A 物理 IB 世界史 A 英語 B (英会話) 数学
6限目 14:15
? 15:05
現代文 数学 数学 数理基礎 人と技術
7限目 15:10
? 16:00
HR



東工大附高校 2003年度 2年機械科時間割
1限目 8:40
? 9:30
物理 IB 数学 B 数学 II 国語 英語 II
2限目 9:40
? 10:30
保健 実習 国語 英語 W 数学 II
3限目 10:40
? 11:30
芸術 物理 IB 化学 IB 科学技術
4限目 11:40
? 12:30
英語 II 現代社会 数学 B
昼休み
5限目 13:15
? 14:05
化学 IB 英語 II 体育 機械設計 機械製図
6限目 14:15
? 15:05
数学 II 現代社会
7限目 15:10
? 16:00
先端科学技術入門 HR


東工大附高校 2004年度 3年機械科時間割
1限目 8:40
? 9:30
機械設計 英語 W 日本史 A 課題研究 類型選択
b : 数学 III
2限目 9:40
? 10:30
保健 英語 W 類型選択
b : 物理 II
3限目 10:40
? 11:30
類型選択
b : 物理 II
生活 類型選択
b : 数学 III
現代社会
4限目 11:40
? 12:30
英語 R
昼休み
5限目 13:15
? 14:05
日本史 A 機械工作 自由選択
数学 C
自由選択
化学 II
体育
6限目 14:15
? 15:05
国語
7限目 15:10
? 16:00
英語 R HR
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