b4log

ほかにはない情報が、ここにはある(かも)。

東京工業大学、附属高校の専攻科を廃止、「社会人教育院」を設立

| 1件のコメント

東京工業大学附属科学技術高等学校 専攻科 募集停止

東工大附属高校には、中学校を卒業した生徒が3年間通う全日制の「本科(科学・技術科 5コース)」と、社会人を対象とした2年で修了する夜間の「専攻科」があります。

そのうち専攻科は、2008(平成20)年度の入学者を最後に募集を締め切り、現在の生徒が卒業すると廃止となるようです。

沿革

専攻科
  • 1899年5月23日 東京工業学校(現在の東京工業大学)附設工業教員養成所附属工業補習学校として創立(蔵前)
  • 1902年3月 東京高等工業学校附設工業教員養成所附属工業補習学校となる
  • 1910年3月 東京高等工業学校附属工業補習学校となる
  • 1921年3月31日 財団法人協調会に移管、蔵前工業専修学校と改称
  • 1926年9月 東京工業専修学校と改称(麻布区新堀町)
  • 1940年11月 東京高等工学院と改称
  • 1941年3月27日 初等工業部と中等工業部を合併し城南工業学校(甲種)設立、高等工業部を東京高等工学院とする
  • 1946年3月31日 城南工業学校廃止
  • 1946年10月3日 協調会解散、財団法人中央労働学園に移管
  • 1947年4月21日 財団法人手島工業教育資金団に移管
東京工業大学移管後
  • 1951年4月1日 千葉大学東京工業専門学校附属の両校が東京工業大学へ移管、合併し東京工業大学附属工業高等学校(本科)となる
  • 1951年5月1日 東京高等工学院が東京工業大学に移管、東京工業大学附属工業高等学校専攻科となる
  • 1961年4月1日 東京工業大学理工学部附属工業高等学校と改称
  • 1967年6月1日 東京工業大学工学部附属工業高等学校と改称
  • 2005年4月1日 東京工業大学附属科学技術高等学校と改称

Wikipediaの東工大附属高校のページから、専攻科の沿革を引用してきました。専攻科は元は東京工業学校の補習学校として設立される物の、1921年に財団法人協調会に移管、つまり官立学校から一旦私立学校となっているのが面白いです。その後も中央労働学園(法政大学社会学部の源流でもある)、財団法人手島工業教育資金団と所属を転々とし、1951年に晴れて元の東工大の元に収まります。こうして見るとかなり紆余曲折があったんですねえ。

ちなみにもう一方の「本科」は、東京商業学校(現・一橋大学)の講習所として1886年に設立し、1890年に東京職工学校(現・東京工業大学)に移管されるものの、1924年に東京高等工芸学校の附属学校となります。この工芸学校が1949年に千葉大学の工学部となることから、「本科」は2年間だけですが千葉大学の附属学校でもあったのです。こちらも紆余曲折、というかもはやタライ回し状態ですね。

ちなみに専攻科の廃止は2004(平成16)年の東工大の年度計画から挙っていました。

東京工業大学 社会人教育院 募集開始

さて、閉科される専攻科ですが、その後継として、学部・大学院レベルの教育を行う「社会人教育院」なるものが、あるようです。

最高の理科系総合大学を目指す東京工業大学は、社会に対して開かれた大学として、社会人の皆様のキャリアアップに役立つ 社会人教育院を新設。田町キャンパスと大岡山キャンパスにおいて、社会のニーズにあった、専門性の高い大学院レベルの講座を中心に開講いたします。

既に提供されている社会人向け講座や附属科学技術高校の専攻科をさらに発展させ、東京工業大学のノウハウを社会人教育に役立てるということらしいです。

プログラムを履修することで、学位に準じる「履修証明書」を授与できるようです。ただし、現在提供されている講座の中で履修証明書を貰えるのはC.理工系一般プログラムだけのようです。

履修プログラムは以下のとおり:

A. 製造中核人材育成講座
対象:機械加工業において概ね10年以上の実務経験を有し、企業の次世代を担う30〜40歳代の現場技術者
場所:東京工業大学大岡山キャンパス(ただし企業講座は大田区内の民間企業)
期間:Aコース:5/9〜11/14(16日間・90時間);Bコース:5/9〜9/19(11日間・42時間);共に土曜日、夏休みを除きほぼ毎週
修了者特典:
  • Aコース:東京工業大学長より修了証書授与
  • Bコース:東京工業大学ものつくり教育研究支援センター長より受講証明書発行

ものつくりの現場での高度技能と先端技術を統合して新技術・新製品を開発できる人材 — 製造中核人材スーパーマイスターを育成する講座。

主催:ものつくり教育研究支援センター | 詳細
B. キャリアアップMOTプログラム
対象:関東圏の中堅企業/中小企業に勤務する次世代の企業経営を担う社会人
場所:東京工業大学田町キャンパス(CIC
期間:2009年4月?2010年3月、毎週1回・全45回、水曜、19:00〜20:30
修了者特典:東京工業大学大学院 イノベーションマネジメント研究科長より修了証書交付

技術経営(MOT)教育ノウハウ、現場、実践を意識したカリキュラム、少人数制による質の高い講義と相互学習を通じ、中堅・中小企業の次世代を担う中核人材のキャリアアップウを支援。

主催:東京工業大学大学院 イノベーションマネジメント研究科 | キャリアアップMOT詳細
C. 理工系一般プログラム
対象:開講する科目に関心のある社会人、受講条件は無し。学生・大学院生の受講もOK
場所:東京工業大学 田町キャンパス(TT522物質材料特論2(たたら製鉄の歴史と技術実習)のみ大岡山キャンパス)
期間:月?金:18:00〜20:30;土曜:それぞれ;毎週実施、3ヶ月から半年
修了者特典:4科目(120時間)以上の修了者に履修証明書を発行

化学物質や生物の総合管理をはじめとし、現代社会の理解に資する広範な分野の科目を設置。2009年度は、前期5科目、後期5科目の合計10科目を開講。プログラムの大部分は「知の市場」として知られる再教育講座の一貫として開講される。

主催:東京工業大学 社会人教育院 | Cプログラム 詳細
D. 理工学基礎プログラム

附属科学技術高等学校専攻科が担っていた建築関連の一部機能を担うために設置

以上のように、専攻科は廃止されても、社会人向けの講座は用意されており、都心に近い田町キャンパスはこれからも社会人教育を担っていくようです。

個人的には、専攻科が17:50から授業があったせいで、東工大附属高校の吹奏楽部が17:30までしか活動できなかったので、高校の校舎で授業を行う専攻科を廃止して、(多分)CICで授業を行う社会人教育院設立は大歓迎です。

東工大、社会人に“製造業大学院”4月開設?将来は単位取得も

東京工業大学は大学院レベルの製造業専門教育を広範に手がける「社会人教育院」を4月に開設する。社会人教育を行う大学は多いが、名称に「社会人教育」を前面に出した学内横断的な機関を設立するのは初めてという。化学物質の安全性を電機や自動車などユーザー企業担当者が学ぶ講座や、モノづくりと先端技術の融合を中小企業幹部が体得する講座などを設ける。将来は単位化可能とされる「履修証明書」を出すため、修士・博士号の取得を狙う個人の参加も見込んでいる。

09年前期に開講するプログラムは(1)化学物質の安全性管理(9科目設定し、1科目15回開講で1万5000円。4科目以上で履修証明書を発行)(2)モノづくり技能と先端技術を統合した製造中核人材育成(7カ月間の毎週土曜開講で約31万円など)(3)中堅・中小企業の次世代幹部向け技術経営(MOT)(1年間平日夜45回開講で約25万円)など。

東京工業大学社会人教育院についてのニュース記事、元の日刊工業新聞のサイトからは削除されていましたが、新首都圏ネットワークの記事に引用が残っていました。学科や専攻に固執しない社会人教育を行うのは珍しいそうです。

先生、おはようございます。
社会人教育院見ました。付属工業高校専攻科が吸収されたのでしょうか?

理工学基礎プログラム 本理工学基礎プログラムは、本学の附属科学技術高等学校専攻科が担っていた建築関連の一部機能を担うために設置されています。

とありました。
専攻科の建築科は、知らなかったのですが、工業高校を卒業していない者で、2級建築士の受験資格を取得する早道だったそうです。

1. Posted by 職業訓練指導員 March 03, 2009 08:10

高校時代の先生のブログで社会人教育院について取り上げた記事に、以上のようなコメントが付けられていました。他の学科(機械・電気・工業科学)の学科を差し置いて、Dプログラムで何故か附属高校専攻科の建築関連の機能を引き継いだのか、という点が腑に落ちなかったのですが、建築士の受験資格を得るための手っ取り早い方法として、コースとして残す必要があったのですね。

Pingback / Trackback

  • 発明屋 より:

    情報貸金庫システム

    <<リモートデータバックアップシステム>>
    (株)発明屋の「情報貸金庫システム」

    特許権をお譲りします。

    特許審決(H21.3.9)
    近々特許権が設定登録されます。

    【公開番号】特開平11-149412号
    【出願番号】特願平9?330869
    【出願日】平成9年(1

この記事のトラックバック用URL