「THE-QS世界大学ランキング2008」がTHEから発表され、上位200位内に日本の大学は10校ランクインし、高等教育の国別世界ランキングでは日本は6位だったそうです。慶應義塾大学が200位以下に転落し、東京大学が昨年の17位から19位に転落するなど国内勢が低下傾向
だったようですが、東工大は90位から61位に躍進したとのこと。
近年、大学や企業の国際的な人材争奪が激しくなっており、国内でも国立大が法人化で業績が予算に反映される中、ランキングは一定の影響力があるとみられている。
国別順位は、世界上位500校に入った大学の順位と大学の立地、各国トップ校のレベル、国の経済力の4つが指標。トップの米国を100点として、英国、オーストラリア、ドイツ、カナダと続き、日本は6位(90点)。アジア勢は韓国が9位、中国(香港を除く)が15位だった。
一方、世界大学順位の指標は、世界の学者約6400人の相互評価が4割、教員・学生数比率と、教員の論文の重要度(引用された回数)が各2割、世界約2300社の人事担当の評価が1割などで、米ハーバード大が昨年同様トップ。
日本では、国内2位の京都大が25位で変わらず、大阪大が46位から44位へ上昇。東北大112位、名古屋大120位、九州大158位、北海道大174位、神戸大199位と、いずれも順位を下げ、唯一の私立、早稲田大は180位で変わらなかった。
順位が上がって嬉しくないわけではありませんが、国内勢が苦戦している中で阪大と東工大だけが上昇しています。阪大の2ランクアップに比べ東工大の29位上昇は、ちょっと不気味なぐらいの上げ幅です。一体何が?
世界的に技術系卒業生に対する需要が高まっていることを反映し、技術系大学がランクを上げているのが目立つ。
eduon!の記事の通り、Caltechが昨年の7位から5位へ、MITが10位から9位へ、Georgia Techは97位から83位へ、香港科技大学が53位から39位へ上昇しています。理工系学生の需要はこれからも増えていくっぽいです。
- QS Top Universities: THE – QS World University Rankings
- 時事通信出版局|日本の高等教育力、世界6位=英情報会社
- eduon! 「世界大学ランキング」 東京大学は19位にランクダウン
それにしても、この順位はどうやって決めているのでしょうか?
◆各大学の順位を規定しているものは何?
順位付けがあった記事で最も確認しなければいけないのはここです。どういう風に順位を決めているか、ってことですね。All aboutの記事より引用します。
このランキングは、世界の大学を、研究力(研究者の評価40%、教員一人当たりの被論文引用数20%)、就職力(雇用者側の評価10%)、国際性(外国人教員比率5%、外国人学生比率5%)、教育力(教員数と学生数の比率20%)で評価。
全文はコチラ↓
http://focus.allabout.co.jp/contents/focus_closeup_c/homestay/CU20080912A/index/ざっくりと語るなら
- 論文が多く引用されており
- 「この大学の学生なら雇用したい」と思われており
- 外国人の比率が高く
- 一人当たりの学生に対する教員数が多く
であれば、大学の順位が上がるわけです。
1、2はさておき、3、4は作為的に操作し、順位を上げることができそうですね。
※最も、余りにも作為的ですと、1、2の評価は落ちるでしょうけど。
キャンパスに全く来ない学生を学生として数えたり、客員教授とかをどしどし雇ったりするとやっぱりランクが上がるんでしょうか。
1については分かりませんが、2については東工大はあんまり心配しなくても就職できるくらいだからやはり企業から欲しいと思われているようです(学部・学科・研究科・専攻によって差がありますが)。留学生が全学生の10%くらいだから3も勿論、てか留学生の比率と女子の比率がほぼ同じとは。4も多分そうかと、学生4〜5人につき教員1人は多い方かな?
まあ、順位が上がったからと言って慢心せず、自分はこれからも研究に邁進して参ります、とつまんない言葉で締めくくります。