ウェーバーの魔弾の射手に続いて、ドヴォルザークのチェロ協奏曲も自分の視点から解説してみたいと思います。
その前に、東工大オケ定期でドボコンを聴こうと思っている方へ、ちょっとお願い:
- 第1楽章が終わってもまだ拍手しないで
- 曲が終わってチェリストに賞賛したいならブラボー(Bravo)は好ましくないかも。
1.は、前回堀内詩織さんがチェロコンを演奏した演奏会で実際に起きてしまったこと。まー仕方ないと言えばそうですが、まだあと2楽章もあるよん。
2.は、「Bravo」は男性形単数であるため。女性形単数の場合は「Brava」が、イタリア語的には正しいようです。まあそんな細かいこと気にしないとも思いますけど。
ではドボコンの解説、とは言っても、ドボコンについてはおそらくネット上にも詳しい解説等があると思うので、B4たかし的に気に入った場所などを中心にただ羅列していってみます。
オーケストラの活躍度の高さ
ドボコンことドヴォルザークのチェロ協奏曲はもちろんオーケストラとチェロの協奏曲な訳ですが、ソロのチェロだけでなく、オーケストラの各パートにもソロが多くあります。というかオケが目立ち過ぎなんです。
どれだけ目立ち過ぎかというと、第1楽章の全354小節のうち、ソロチェロが音を奏でるのは87小節目から。それ以前に第1主題(Cl.)も第2主題(Hr.→Cl.)も既に一通り現れています。Fl.・Ob.・Cl.がメロディを絡ませる箇所も直後にあるし、対旋律にFl.の長いソロを持って来たりと目立ち放題。
第2楽章も1楽章に続いてCl.のメロディから始まり、チェロとの対旋律を奏でます。とゆーかクラリネット使い過ぎ:-!。中盤にはハイパーホルンタイム(Hr.3人で主題を再現)。その後もチェロと木管で締めます。
第3楽章も木管がオイシいです。もうその説明飽きましたね。でもそうなんだもん仕様がない。あ、ロ短調からロ長調に転調したらヴァイオリンソロが現れます。Vc.soloをバックにVn.solo!カッコいい。
この曲に限りませんが、ドヴォルザークはクラリネットとトロンボーンをオーケストラの中でかなり重要視していたみたいですね。
ソロチェロの難易度の高さ
そしてソロのチェロが難しい。え、協奏曲のソリストが難しいのは当たり前?まあそうっちゃそうなんですが・・・
弓で
・・・なんて芸当もやってのけています。
あまりにソロパートが難しい、と指弾したヴィハンから修正するよう提案がありましたが、カデンツァを入れようと彼の提案に激怒したドヴォルザークが、世界初演をヴィハンからレオ・スターンに任せています。
2ndパート以下の充実ぶり
ドヴォルザークではよくあることですが、管楽器の首席である1stに負けず劣らず2ndパートもかなり目立っています。
2楽章のクラリネット1stの対旋律はオーボエの2ndだし、旋律の裏でファゴット2ndが動いていることも少なくありません。ホルン3rdはハッキリとソロがあります。
ま、長々と書きましたが、この曲はソロのチェロもオーケストラも大活躍する曲。ぜひ聴いていって下さい。