「この世界の片隅に」を観て涙を流す理由が分からない

最初に断っておきますが、「涙を流」したのは自分自身であって、自分が泣いているその理由が、自分自身でもよく分からない、という自問自答から始まっているのがこの記事です。他者の感動を批判するエントリーではありません。

さて、件の「この世界の片隅に」、こうの史代原作の漫画を、片渕須直が脚本・監督、のん(本名:能年玲奈)が主演したアニメ映画が今年の11月12日に公開された。その内容は――と私が解説するよりも、NHKで特集されたダイジェストを見ていただくのが早いかもしれない。

1940年代、広島から呉に嫁いだ北條(旧姓 浦野)すずが主人公。戦時下では自由にモノも買えず、配給の食料もどんどん少なくなっていく。現代ニッポンから見れば悲惨な暮らしにも思えるけれども、すずはそんな暮らしを逞しく楽しみながら過ごしていく。

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