「やる夫」らしからぬ物語 – 「やる夫が殺人事件に挑むようです」

以前当ブログでもやる夫を紹介しました。前回は「勉強スレ」のガイド役として後期高齢者医療制度の話題を紹介しました(コメントで真偽が怪しいことも指摘されました)が、今回紹介したいのは、純粋なお話の主人公としてのやる夫。その名も「やる夫が殺人事件に挑むようです」。

ニュース速報(VIP)板で連載されていたもので、現在では以下のブログで閲覧できます。各ブログによって多少バージョンが違います。

あと、当記事でこのあと内容に関する話も多少書くので、(直接的なことは書かないつもりですが)ネタバレがイヤな方はあとでご覧ください。

この作品を作った ◆Fi0Zr6Ud82 氏は、以前にも幾つかやる夫スレを建てている。自分が確認できたので以下の2つ:

ネタバレすると、前者「精神病院に?」は最後には救えない方向になってしまう。バッドエンドのやる夫スレ(しかもちゃんと面白い!)はあまり無かったと思う。この作品からも作者の才能の片鱗が伺える。

「殺人事件に挑むようです」だが、やる夫ブログではこんな文句で絶賛されている:

伝説は生きていた!

発表された瞬間イチオシが決定した驚異の作品。やる夫史上初となる長編本格ミステリです。 その独創性と絶佳のセンス、高すぎるクオリティには参りましたとしか言えません。 作者はやる夫スレの基礎を作り上げたあの方。是非ご覧ください。

ちょwww管理人褒め過ぎwwww

・・・なんてことは置いといて、とにかくやる夫の長編の中でも群を抜いた独創性であることは間違いないでしょう。

ただ、他のやる夫スレでのやる夫は基本的に駄目人間的な面が強調されている。しかし、時として漢を見せたり、高い能力を発揮する事もあるという親しみやすさから、どこにでも居るような普通の人を演じている。ある意味「読者=やる夫」という図式が出来上がっていて、これがやる夫スレを盛り上げる原動力となっていると思う。だからやる夫が特殊な能力を持ってたり女の子にもてまくり — いわゆるリア充 — だと反感を買ってしまう。

「やる夫が殺人事件に挑むようです」でのやる夫も、最初は読者とともに謎を解き明かす探偵として振る舞っている。だが、最終的にこの話のやる夫は、この物語から、そして読者から離れていく道を辿ってしまう。

その点から言えば、この話は「推理小説」や「ミステリー」ではない。作者本人の言葉を借りれば「ただのメタ物語」である。メタがどういう意味か、自分はよく分らないが・・・。

まあ、とにかくこの物語、やる夫スレの中でも超オススメなので時間がある人は読んでみては、と言いたいだけの記事でした。

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